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NTTドコモ、903iシリーズなど新モデル14機種。5機種がナップスター対応


発表された秋冬モデルの新端末
 NTTドコモグループは、携帯電話の秋冬ラインナップとして、「903i」シリーズなど全14機種を開発したと発表した。903iシリーズのうち5機種は、定額制の音楽配信サービス「ナップスター」に対応する。

 発表された903iシリーズは、「D903i」「F903i」「N903i」「P903i」「SH903i」「SO903i」の6機種に加えて、ワンセグ対応の「D903iTV」「P903iTV」「SH903iTV」の3機種、HSDPA対応の「F903iX HIGH-SPEED」「P903iX HIGH-SPEED」2機種の合計11機種。このうちD903i、F903i、SH903i、D903iTV、F903iX HIGH-SPEEDの5機種がWindows Mediaファイルの再生に対応し、ナップスターを初めとするWMA形式の音楽配信サービスを利用できる。

 903iシリーズ全モデルが着うたフルに対応するほか、従来のiアプリ容量を大幅に拡張し、プログラム領域が最大1MBまで利用できる「メガiアプリ」を搭載。データ保存領域は外部メモリも利用可能で、数十MBの大容量メガiアプリも利用できる。また、903i全モデルで「おサイフケータイ」機能も拡充、ICカード容量が向上されたほか、機種変更や故障時にICカード内のデータを移行できる「iCお引っこしサービス」、ICカード間でデータ送受信できる「iC通信」といった機能を搭載。ケータイクレジット「iD」対応のサービス「DCMX」のiアプリも全機種にプリインストールされている。

 D903i、F903i、N903i、P903i、SH903i、SO903iの6機種はGPS機能も搭載。GPS対応のiアプリがプリインストールされているほか、GPSを利用した緊急通報の位置情報通知機能、紛失時に携帯電話の位置をGPSで確認する「ケータイお探しサービス」などに対応する。



ナップスター対応端末。左上から「D903i」「F903i」「SH903i」「D903iTV」「F903iX HIGHーSPEED」


会場ではメーカー名などは非公開ながら近日発表予定の703i2機種も公開
 また、HSPDA対応の「P903iX HIGH-SPEED」は、WMV形式の動画再生機能も搭載。ストリーミングだけでなくメモリに保存した動画も再生可能で、ビットレートは最大10Mbpsまで対応しているという。なお、DRMに関しては対応しているものの、課金認証などが必要なサービスに関しては利用が難しいという。また、ストリーミング再生はフルブラウザで行なうため、パケット定額プラン「パケホーダイ」の対象外となる。

 903iシリーズ以外では、シンプル機種「SIMPURE L1」「SIMPURE N1」2機種、IEEE 802.11gの無線LANを搭載したビジネス向け機種「N902iL」を発表。N902iLはフルブラウザやおサイフケータイといった機能も搭載する。

 発売時期は、903iの基本シリーズが10月下旬からで、HSDPAやワンセグ対応モデル、ビジネス向けのN902iLは2007年に入ってからの発売となる。SIMPUREに関しては903iの基本シリーズよりは遅れるものの、2006年内には発売の見込み。このほか、703iシリーズについても近日発表を予定しているという。


WMVストリーミング再生対応の「P903iX HIGH-SPEED」 IEEE 802.11gの無線LANを搭載した「N902iL」

N902iLはフルブラウザと簡易HTML用のブラウザの2種類を搭載 プレゼンス機能も搭載

夏野氏が「攻めるドコモ」をアピール。端末スペックは「徹底的に強化」

夏野剛執行役員。手にしたSH903iTVを動かしながら「“想定内”の動きです」とコメント
 発表会では夏野剛執行役員が新機種のコンセプトや概要を説明。10月から始まるモバイルナンバーポータビリティに触れ、「ドコモが守りに入るのではと思われる方々もいるようだが、今回のスペックを見ていただければ我々が一番攻めている」とコメント。「他社に入っているが競争力としては疑問があったものも全部入れ、一番競争力のある端末ラインナップにした」と語り、「これまでやってきた端末シリーズ発表会の中でも一番自信を持っている」と語った。

 3G携帯電話のFOMA契約者数は9月末現在で2,909万契約となり、「NTTドコモの契約者数の半数がFOMAに移行した」(夏野氏)。また、ケータイクレジットのDCMXは86万契約に達し、iモード向けゲームが年間400億円の市場に成長、さらに10代女性の約7割が利用しているというデコメールは月間1億通が送信されているなど、携帯電話ビジネスの好調ぶりもアピール。エリアに関しても「基地局数も1.5倍に拡大するなど、この1年間でどんどん改善している」とし、「903iシリーズを自信を持って勧められるのは、このエリア拡大が背景にある」と付け加えた。

 こうした成功を受け、満を持して投入する903iシリーズでは、「Entertainment」「Lifekit」「Communication」という3つのコンセプトで端末を開発。「楽しく便利に、をコンセプトにしてきたが、903iシリーズではもっと楽しくもっと便利にを目指し、さらに携帯電話の基本であるコミュニケーションも徹底的に強化した」とした。

 Entertainmentではナップスター対応を初めとする音楽機能の拡充に加えて、メガiアプリやワンセグ対応、動画サービス対応など機能を拡充。LifekitではおサイフケータイなどIC機能を拡充するほか、ケータイお探しサービスなど紛失時のセキュリティ機能、GPSによる位置検索機能を強化。P903iでは、同梱のカードと本体の距離が離れると自動でロックがかけられる「あんしんキー」機能が搭載された。

 Communicationではデコメールの機能拡充に加え、メールの送信サイズを最大2MB、添付ファイル10点までと仕様変更することで、3メガピクセルのカメラで撮影した画像もメールで送信できるようになった。海外ローミングも903iの基本シリーズはすべて対応したほか、プッシュトークもトーク中に他のメンバーを追加できるなど機能強化が図られている。


約半数のユーザーがFOMAへ移行済み エリアも順次拡大。「FOMAはつながらないというイメージも今は違う」

ナップスターは1週間で200万ダウンロード。今後も対応端末を拡充

D903i、F903iを使ったナップスターの体験コーナー
 秋冬モデルで5機種が対応したナップスターは、日本で初めてサブスクリプションと呼ばれる定額制を採用した音楽配信サービス。NTTドコモではすでに「F902iS」でナップスターに対応していたが、今回5機種が新たに加わり、全部で6機種がナップスター公認の対応端末となった。

 ナップスターの料金は、PCのみで再生できる定額プラン「Napster Basic」が月額1,280円で、903iシリーズの対応端末への転送も定額の「Napster To Go」が月額1,980円。携帯電話とPCをUSBで接続詞、Napster To Goの楽曲を端末へ転送して再生できる。

 楽曲のラインナップは定額対応が約150万曲、1曲ごと課金が発生する楽曲を含めると約160万曲。楽曲のジャンルは洋楽が中心で、邦楽は定額で約2万曲、1曲ごと課金の楽曲を含めても約9万曲と全体の10%以下。ただし、楽曲のラインナップ拡充は随時行なわれており、10月3日のサービス開始時点では約190万曲が実際に揃えられていた。

 楽曲の転送回数は、Napster To Goを契約している間は無制限。また、1つの契約で最大3台の端末へ楽曲を転送できるほか、3台のPCでIDを共有することもできる。なお、Napster To Goを利用するにはWindows XP搭載PCと「Windows Media Player 10」が必要になる。


プレイリスト再生にも対応 楽曲は着うたフルと一緒に管理。着うたフルはジャケット画像が用意されているが、ナップスターのジャケット画像転送には非対応

ナップスターの楽曲を再生 着うたフルではジャケット画像も表示される

ナップスターの専用アプリケーション。対応端末を接続すると画面右下に転送エリアが表示される Windows Media Playerでは認識した903iを端末アイコンで表示

903iユーザー向けに2週間の無料トライアルキャンペーンも実施
 夏野氏は、ナップスターの主要株主であるタワーレコードの社外取締役を夏野氏が務めていることもあり、10月3日から現在までのサービス状況を紹介。「フリートライアル期間で加入しやすいということもあるが、予想を上回る規模で使われており、1週間で200万曲がダウンロードされている」と語った夏野氏は、「月に1,980円を支払えば、対応端末で好きなだけ楽曲が聴ける」とのメリットを指摘。「携帯電話の音楽対応はiPodを凌ぐのではないか、と一部で言われているが、そうなっていないのは1曲あたりの単価が高いからではないか」と前置いた上で、「ナップスターのようなサービスの登場で、携帯電話で本格的に音楽を聴く環境が整った」とした。

 質疑応答で携帯電話に音楽機能を搭載するメリットについて問われると、夏野氏は「マーケットを調査すると、ユーザー全員が必ず音楽機能を使っているわけではない」と認めた上で、「こうすると音楽をより聴きやすくなるだろう、という1つの例がナップスター」とコメント。「WMA対応は、今後の機種でも充実を図っていく」との方針を示した。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20061012.html

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( 甲斐祐樹 )
2006/10/12 20:52

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