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「2005年はMSの歴史で多くの重要な新製品を展開」MicrosoftバルマーCEO


 米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが16日来日し、都内で記者会見を開いた。会見ではバルマー氏が同社の最新状況を語ったほか、マイクロソフトのダレン・ヒューストン代表執行役社長が同社の3カ年計画「Plan-J」の進捗状況を説明した。


Windows LiveおよびOffice Liveは「広告に期待」

「innovation」が重要と繰り返す米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO

日本におけるマイクロソフト
 冒頭バルマー氏は、日本のマイクロソフトは世界で最初の米Microsoftの子会社であり、設立当初からMicrosoftの成功の鍵を握っていると語った。現在マイクロソフトでは2,000名の従業員が在籍、6,000名の認定パートナーがおり、日本市場におけるPCおよびサーバーの拡大に大きな役割を果たしていると述べた。会見中でバルマー氏は「innovation」という単語を繰り返し用いて、日本市場からもさまざまな技術革新およびアイディアが生まれていることを強調した。

 続けて「2005年はMicrosoftの歴史の中でも、最も多くの重要な新製品を展開する年の1つ」と語り、「SQL Server 2005」「Visual Studio 2005」「BizTalk Server 2006」を17日に発表するとアピールした。

 また、オンライン経由でさまざまなツールを提供する新サービス(※)「Windows Live」と「Office Live」については、「オンライン広告の成長に期待する」と述べ、これらの新サービスがMicrosoftの大きな収益源となると見込んでいるという。Windows Vistaに関しては、「ユーザーは、より明確に生活のすべての情報をコントロールできる。Vistaは期待を持って迎えられると思う」とコメントした。

 .NET開発プラットフォームについても触れ、世界の最大手企業の90%以上が利用しているほか、Windows Server 2003は世界のサーバー出荷数の65%以上を占めていると述べ、これらの成長が12月10日に発売されるXbox 360にも反映されると訴えた。Xbox 360については、「次世代のHDプラットフォームを活用するために200以上のゲームが開発中。明らかに我々がテクニカルリーダーだ」と強気の発言を見せた。なお、ソニーが2006年の発売を予定する「プレイステーション3」に対抗できるかという記者の質問に対しては、「エンドユーザーの反応が良いこともあり、楽観的に見ている」と答えた。

 最後にバルマー氏は、「2005年はMicrosoftにとって、重要な1年になる。我々の成長にとって日本市場は重要。MicrosoftのCEOとしてマイクロソフトが展開する3カ年計画に期待している」との考えを示した。

※編集部注
 Windows Liveは、WebメールやIM、ウイルススキャンなどのツールをオンライン経由で提供するサービス。これらのツール群を組み合わせてユーザー専用のポータルサイトを作成できる。Office Liveは中小企業向けのインターネットホスティングサービス。ドメイン名取得、30MBのWebサイト、メールアカウント、アクセス解析サービスを広告ベースで無料提供するものと、グループウェア機能などを有償で提供するものがある。


マイクロソフトのヒューストン社長、3カ年計画を振り返る

マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏
 バルマー氏に続いて会見に臨んだマイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏は、3カ年計画「Plan-J」の進捗状況と今後の展望を説明した。Plan-Jは、日本における投資の拡大、技術革新の促進、パートナーシップの強化という3点を柱とする3カ年計画。Plan-Jが開始して約100日が経過したことを受けて、ヒューストン氏はこれまでの進捗状況を振り返った。

 まず投資の拡大については、人材、組織体制、日本独自のマーケティング活動、企業市民活動の4分野に投資してきたと説明。人材では国内外からの新卒および中途採用、組織体制ではパートナー企業との連携を図るためにWindowsクライアントビジネス開発事業部を設置、企業市民活動ではP2Pソフト「Winny」を経由して感染するウイルス「Win32/Antinny」に対応したウイルス駆除ツールを提供したり、高校におけるセキュリティ授業を実施してきた。日本独自のマーケティング活動としては、Windows発売20周年を記念した「Microsoft Windows XP Professional アップグレード Windows 20周年記念パッケージ」を9,999本限定で、12月9日に発売することを明らかにした。

 続いて技術革新の促進について触れ、新規市場への参入、ソフトウェアベースサービス、革新的な製品群の提供の3点を挙げた。新規市場への参入としては、ウィルコムとシャープと共同で発表したPDA型携帯端末「W-ZERO3」が搭載するWindows Mobileのほか、Windows Cluster Server 2003、Microsoft Dynamicsの3つを強化。ソフトウェアベースサービスでは、Windows Live、Office Live、Xbox Liveを挙げ、「日本はこれらのサービスを展開する最初のマーケットの1つになる」(ヒューストン氏)とした。革新的な製品群の提供ではSQL Server 2005、Visual Studio 2005、Biztalk Server 2006や、12月10日に発売するXbox 360を紹介。そのほか、今後18カ月以内にリリースされる製品として、Windows VistaやOffice 12、Internet Explorer 7などを挙げた。

 最後にパートナーシップの強化については、政府機関、教育機関、産業界との連携を重視してきたという。政府機関に対しては、中小企業のIT化の推進、“小さな政府”実現の支援、e-Japanやe-governmentへの全面的協力などを行なうという。また、政府がWindowsの調達をしないと報道されたことについては、政府調達における技術的中立性の提唱を行なってきた。教育機関に対しては、産学連携による先端技術の研究強化、産業界に対してはシステムインテグレータやOEMパートナー、テクノロジーカンパニーなどとの連携で、新規ビジネスを推進してきたことを訴えた。


Plan-Jの進捗について 日本における投資の拡大

技術革新の促進 パートナーシップの強化

関連情報

URL
  マイクロソフト
  http://www.microsoft.com/japan/

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( 増田 覚 )
2005/11/16 17:38

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