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マルウェアを添付したスパムメールが増加傾向、シマンテック調査


 米Symantecは、月例スパムレポートの10月号を公開した。経済情勢や米大統領選に便乗したスパムメールの事例のほか、単に商品の宣伝をするだけでなく、悪意のあるコードへのリンクが含まれるメールが増加していることなどを紹介している。

 月例スパムレポートは、Symantecが200万件のおとりアカウントを使って世界20カ国から収集したメールをもとに分析し、傾向をまとめたもの。9月の調査では、全てのメールに占めるスパムメールの割合は約78%となり、8月(約80%)からはやや減少した。

 最近のスパムメールの特徴としては、マルウェアが添付されたメールが6月以降増加傾向にあるという。大部分のマルウェアはZIPあるいはRARファイルで添付されているが、その次に多いのはメール本文にコードを埋め込む手法で、メール本文に埋め込まれたマルウェアは6月には0.1%だったが、9月中旬にはこの割合が1.2%に達している。

 また、こうしたスパムメールと関連するように、ボットに感染したいわゆる「ゾンビPC」の台数も急増。ゾンビPCの台数は、8月には前月比で37%減少したものの、9月にはその数が倍増(101%増)している。ゾンビPCが確認された国の割合では、トルコ(12%)、ブラジル(9%)、米国(6%)などが高いが、韓国での確認台数が前月比で4236%に達するなど、各国でゾンビPCが増加したことが台数の急増につながったとしている。

 スパムメールで目立った事例としては、米国の住宅市場の冷え込みと不安定な経済情勢がスパマーの格好のターゲットとなっており、個人の情報を引き出すために「あなたの住宅を救います」「差し押さえを防ぎます」といった件名のメールが増えているという。また、「2008年の大統領選は誰が勝つ?」などの、米大統領選に便乗したメールも引き続き増えているとしている。


関連情報

URL
  Symantec The State of Spam Report - October 2008(英文、PDF)
  http://eval.symantec.com/mktginfo/enterprise/other_resources/b-state_of_spam_report_10-2008.en-us.pdf

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( 三柳英樹 )
2008/10/10 18:29

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