みんなの在宅ワーク

第65回:吉崎陽介(クラスメソッド株式会社/DoYoBe)の在宅ワークスタイル

公私混在化したデスク環境をシームレスに切り替え

 こんにちは、吉崎陽介と申します。クラスメソッド株式会社で顧客企業の課題解決のPdMを担当しています。弊社は国内有数のAWS技術者集団であるとともに、顧客企業のDX課題解決や内製化支援などを行っている会社です。

 10年間の音楽業界を経て、1999年のi-mode時代にインターネット業界に入り、検索ポータルサイトでB2Cウェブサービスの企画職として、メディア事業やブログサービスなどを手掛けてきました。

 その後、フリーランスになったり起業も経験しましたが、この5年間はB2Bのクライアントワークの面白さに目覚め携わっています。一方でB2Cサービスへの想いは捨てられず、土曜日限定の個人プロジェクト「DoYoBe」で個人活動もしています。

テレワークが当たり前の職場。オフィス出社は数えるほど

 クラスメソッドにジョインしたのはコロナ禍が始まった直後でしたが、以前から日本中・世界中に社員が散らばり在宅ワークをしていたこともあって、テレワークは当たり前のように行われていました。

 私は埼玉県川越市に住んでいて東京都内は通勤圏ではありますが、秋葉原の本社にはまだ数回しか行ったことがありません。同僚ともお客様ともみんなこの環境で顔を合わせています。同時にプライベートもゲームもVRもDTMもこのデスクで楽しんでいます。

作業風景

業務と個人活動でMacとWindowsを使い分け

 クラスメソッド入社時にMacBookかSurface Laptopかを選べます。キー配列も希望をかなえてくれたのでUS配列のMacBook Proをメインマシンとして使っています。

 そのためプライベートで使っていたMacBookは手放し、Windows 10とUbuntuを入れた「Udoo Bolt Gear」をプライベートのメインマシンとして使っています。

 Udoo Bolt Gearは、イタリア企業のUdooが2018年にKickstarterに出した、IoTを意識したベアボーンです。Ryzen Embedded V1605Bという珍しいシングルボードコンピューター用のプロセッサを積んでいるマシンですが、そこそこパワフルで重宝しています。

 Arduino I/Oが付いているこのマシンで実現したいことがあったのですが、まだ何もできておらず、今後の個人活動のテーマです。

キーボード、マウス、メインディスプレイは「KVM切替器」で1つに集約

 キーボードはNiZ PlumにRetro Macのキーキャップを装着して使っています。

 個人的にMacBookのキータッチが好きではなく、さまざまな外付けキーボードを試してきたのですが、静電容量無接点方式に行き着きました。NiZ PlumはBluetoothに対応していますが、入力タイムラグの違和感を避けたいため、あえて有線接続しています。

 マウスには長年こだわりはなかったのですが、ここ数年、右腕がかなり疲れていることに気付き、半年ほど前にロジクールのトラックボール「ERGO M575」を導入しました。使い慣れると本当に快適で、今ではトラックボール以外考えられなくなりました。

愛用のキーボードとトラックボール

 ディスプレイは27インチのフルHDを正面に据えています。

 かつては、MacとWindowsのそれぞれに別のキーボードとマウスとディスプレイを接続していましたが、デスクが手狭になることが悩みでした。

 そこでMacとWindowsを同じキーボード、トラックボール、ディスプレイで扱えるようにするためにKVM切替器を導入しました。手元のボタンで接続するOSを切り替えるイメージです。

KVM切替器でキーボードやトラックボール、ディスプレイを切り替え

 これで勤務時間内はMacBook、プライベートはWindowsに切り替えて使えるようになりました。IMEの切り替えのキーバインドもWindowsとMacを同じにすることで、OSが違うことによる入力の違和感もありません。

「ウルトラワイドディスプレイの縦置き」が便利

 起業してオフィスを構えていたときにメインに使っていたLGのウルトラワイドディスプレイは、縦置きで使っています。これはKVM切替器とは連動させずMacBookから直接接続して、ブラウザーとSlackの上下配置にしています。

 業務ではお客様や同僚とのコミュニケーションはGoogle MeetとSlackが中心ですが、この2つは常に見えるところにあると非常に効率が上がるため、縦置きディスプレイの上下に配置しています。縦置きにすることで、Wordで作成された契約書などドキュメントの視認性は抜群です。

「骨伝導イヤフォン」で在宅ワークの悩みが一気に解決

 在宅ワークで一番の悩みはオンライン会議の耳周りでした。ヘッドフォンで耳全体が覆われたり、イヤフォンを耳に突っ込むのが苦痛で、これまではソニーの開放型イヤフォン「STH40D」を使っていました。

 それを上回る快適さを得られたのがAftershokz骨伝導イヤフォン「OpenComm」でした。これはこの5年で購入したものの中でもベスト1でした。本当に買ってよかったものでした。

ソニーの「STH40D」(右)とAftershokzの「OpenComm」(左)

最後は「Chromebookに集約」される予感

 コロナ禍で小学校に通う娘たちがChromebookで授業を受けるようになりました。以前よりChrome OSに興味があって触っていたものの、最新のChromebookの進化に驚き、自分用としてThinkPad C13 Yoga Chromebookを購入しました。必要に応じて使い古したディスプレイに出力しています。正直なところプライベートの用途はこれで完結できています。

ThinkPad C13 Yoga Chromebook

 「BB Watch」の「デスクトップ百景」で書かせてもらったのが13年前になります。

あれから社会も私もずいぶん変わりました。ブラウザーはChromeとVivaldi、メールソフトはGmailをブラウザーで使ってはいるものの、社内ではSlack、社外はSNSが中心で、メールはほとんど使わなくなりました。

 スクリーンショットはPCよりスマホを撮ることの方が圧倒的に多いです。文書作成はNotion、カレンダーとToDoはGoogle Workplace、コミュニケーションはSlackになりました。

 たいていの用途がウェブアプリケーションで提供されていて、業務とプライベートのスイッチングはGoogle Workspaceで切り替わるようになってきています。

 子供が成長したらこの部屋を明け渡さなくてはなりません。そのときはもう切り替えなんか悩まずChromebookだけになっていそうな気がしています。

吉崎陽介の在宅ワーク環境
  • メインPC:会社用:Macbook Pro(2019)、個人用:Udoo Bolt Gear、個人用サブ:ThinkPad Yoga C13 Chromebook
  • ディスプレイ:4画面
  • キーボード:NiZ Plum
  • マウス/トラックボール/トラックパッド:Logicool ERGO M575
  • カメラ:会社用:MacBook内蔵カメラ、個人用:Logicool Webcam Pro QCAM-200SX
  • マイク/ヘッドフォン/スピーカー:AfterShokz OpenComm、SONY STH40D
  • ビデオ会議サービス:Google Meet、Zoom、Horizon Workrooms(社内有志で集まっているxRプロジェクトではOcurus Quest 2で使っています)
  • 机:ニトリのダイニングテーブル
  • 椅子:無名のオフィスチェア+MTGの姿勢ケアシート(腰痛が解消されました)
  • その他小物:ES-Tune KVM切替器(キーボード、マウス。外付けディスプレイをMacとWindowsで共用するため)、BenQ ScreenBar Plus(手元を照らす照明)、PCスタンド(貸与されたMacBookに飲み物をこぼさないように)、Alexa Echo Dot(始業終業チャイムと時報を鳴らすため)、3カ月カレンダー(この先四半期を見渡せるカレンダー)、百均の耐震マットジェル(震度5でもディスプレイは固定されていました)

吉崎陽介

京都府綾部市出身。埼玉県川越市在住。インターネット歴30年の老人。90年代は「音楽とインターネット」、00年代は「メディアとインターネット」、この10年は「人生とインターネット」、現在は「企業と社会とインターネット」をテーマに長生きしています。各種SNSはchamplasonic。