埋もれた名刺の価値を飛躍的に上げる、名刺管理SNS「World Rudder」


 大量に交換した名刺がデスクに埋もれたままで、有効活用ができていない。そんな機会損失を解消し、名刺交換した相手との“永続的なつながり”を維持できるというサービスが「World Rudder(ワールドラダー)」だ。名刺管理とSNSを融合させ、情報収集や情報交換、人脈の構築などビジネスの可能性を大きく広げるという。利用は無料。

ワールドラダーの名刺プロフィール画面

人脈を維持・発展、一生涯のつながりに

 サイトで会員登録を行い、自らの名刺を専用スキャナーで読み取るか、Androidアプリで撮影することでプロフィール情報を登録できる。登録時には「識字率90%以上」というOCRによって自動入力される。文字を修正したり、名刺に記載されていないプロフィールや顔写真を追加することも可能だ。11月にはiOSアプリを提供する予定。

専用スキャナー

 アドレス帳に登録している相手がワールドラダーを利用している場合、「Rudder」と呼ばれる友だち関係を申請できる。Rudderとなったユーザーに対しては、昇進や転職などでプロフィールを変更すると「更新通知」が届く。通知を受信したユーザーは、ワールドラダー上でお祝いや激励のメッセージを送れる仕組みだ。なお、更新状況はクラウド上で同期されるため、ユーザーは常に最新の情報をPCやスマートフォンで確認できる。

 サービス運営元の株式会社ワールドラダージャパンで顧問を務める佐藤滋俊氏は、「昇進時にお祝いの言葉を送ることで仕事につながったり、しばらく疎遠でも再び親密になることもある。名刺をデスクに埋もれさせている人は、そのような機会を逃している。ワールドラダーは名刺の価値は飛躍的に上げ、人脈を一生涯のつながりにできる」と話す。

ビジネスとプライベートを線引きできるSNS機能

 また、SNS的な側面として、マイページ上でFacebookのウォールのように近況を報告する機能を搭載。アドレス帳に登録したユーザーを「ビジネス」「同級生」「ゴルフ仲間」「プライベート」などのカテゴリーに分類し、カテゴリーに応じた公開範囲を設定して情報発信が行えるため、「ビジネスとプライベートを確実に線引きできる」(佐藤氏)。

SNSではカテゴリー別に公開範囲を設定できる

 アドレス帳に登録したユーザーと交流する公開コミュニティ機能もある。コミュニティでは、仕事や趣味に関するテーマを自由に作成可能。「名刺情報に基づく実名登録だからこそ中身の濃い交流ができる」と説明する。非公開グループとして、限られたメンバーを招待して情報共有を行う機能も備える。

 ワールドラダーは10月25日にサービス開始。サイト上のバナー広告を収益元としている。今後は英語、中国語、韓国語に対応し、2013年3月までに30万ユーザー獲得を目指す。千葉・幕張メッセで開催中の「Japan IT Week秋」に出展中で、来場者に専用スキャナーを3000個限定で無償配布している。専用スキャナーの価格は未定だが、販売する予定という。

幕張メッセで開催中の「Japan IT Week秋」では専用スキャナーを無償配布している

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(増田 覚)

2012/10/25 16:06