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DMM.comをかたるSMSの架空請求詐欺、架空の未払料金を請求、法的措置をちらつかせる

消費者庁と東京都が注意呼び掛け

 消費者庁と東京都は、DMM.comをかたり「有料コンテンツの利用料金の支払確認が取れません」として金銭を支払わせるSMSについて、少しでも不審に感じた場合は、消費者ホットライン(電話番号188)や、警察相談専用電話(電話番号#9110)への相談を促している。

 SMSの内容は「有料コンテンツ利用料金の支払確認が取れません。本日中に連絡なき場合、訴訟手続きに移行します」「webコンテンツの利用履歴があり退会確認が取れない為、料金が発生しております。至急に退会のご連絡をください」「有料動画閲覧履歴があり未納料金が発生しております。本日連絡なき場合、法的手続きに移行します。」といったもの。記載された電話番号に連絡すると、「DMM」「DMM.com」「DMM相談窓口」「DMMコンテンツ」などと名乗る。

 実際には有料動画サイトの未払料金等がないにもかかわらず、「今年の●月にサイトに入会しています」「サイト利用料●万円が未払になっています」「利用料金と延滞料金合わせて●万円が未払になっています」として、未払料金が生じていると偽る。

 さらに、「裁判の手続をしています」「裁判にでもなったら、もっとお金がかかるので、すぐに支払った方が良いでしょう」「弁護士から、今週、内容証明郵便が送られます」「何度も請求しているのに支払われないので強制執行の手続をしています」「今日中に支払えば、訴訟手続は取り下げます」と告げ、未払料金の名目でその日のうちに金銭の支払いを求める。

 心当たりがないと反論すると「メールマガジンで請求しています」「サイト内にマイページがあります。マイページから請求しています」とし、携帯電話の誤操作などで未払料金が発生したのではないかと思い込ませる。

 さらに「未払料金を支払っても、サイトに登録しているだけで利用していないことが判れば、9割の5万4千円が返金されます。だから一旦6万円支払った方が良い。そうしないと裁判沙汰になります」「一旦未払料金を支払っても、こちらが未払に備えて加入している保険会社が全額支払ってくれるので、後で全額返金できます。」などと告げてくる。これを信じて支払いに応じた事例もあるとのことだ

 支払いに承諾すると、「Amazonギフト券」や「楽天ポイントギフトカード」をコンビ二などで購入させ、ギフト券番号を電話で連絡するように指示する。

 番号を知らせた消費者には、弁護士を名乗る男性から「DMM以外にも4社から、サイト利用料金の未払いがあり、訴訟を起こされています。全部の訴訟を取り下げてもらうには●万円がかります」「DMM以外にも3社のサイトに未払とその延滞金があり、総額●万円になっています。今日中に●万円支払えば、裁判手続を取り下げることができます」といった内容や、「インターネットプロバイダ協会のブラック情報に登録されてしまっています。このブラック情報を削除しないと裁判沙汰になります。削除するには●万円を支払わなければなりません」などとして、追加の支払いを求めるという。これにより支払総額が100万円を超えた例もあるという。

 消費者庁によれば、DMMの動画配信サービスの利用で未払い料金が発生することはない。本日中に連絡がなければ訴訟に移行するというSMSや、購入したギフト券番号を電話で伝えることについて、典型的な詐欺の手口として、要求には応じないよう呼び掛けている。

 DMM.comをかたり金銭を要求するSMSについては、2016年1月にも消費者庁により注意喚起が行われているが、その後も被害が拡大していることから、今回改めて注意を喚起したという。

 東京都によれば、2016年1月以降の相談件数は2180件。平均請求額は16.9万円で、相談者の平均年齢は51歳。2016年9月以降は毎月250件の相談が寄せられている。