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検索結果を瞬時に年表にして表示する検索エンジン「TIMEMAP」公開

トピックごとの年代的な分布やトレンドの移り変わりも一目瞭然

「TIMEMAP」の検索結果例

 一般社団法人タイムマップは30日、時間軸に着目した検索エンジン「TIMEMAP」を一般公開した。キーワード検索した結果を瞬時に年表化して表示するのが特徴。検索したトピックが出現する年代分布やトレンドが可視化される。

 「デジタル地図で自由に拡大・縮小して空間情報を眺められるように、文書情報に対しても同じことができないか」との考えから開発したという。生成表示された年表は、デジタル地図のようにマウスドラッグで表示範囲を変更したりスクロールできるほか、さらにマウスホイールやピンチイン/アウト操作によって年表が伸び縮みする。そのトピックが集中している年代にズームインしていって詳しく見ることも可能だ。

 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)の高野明彦研究室およびNPO法人連想出版の連想検索を技術基盤として開発しており、タイムマップの代表理事も高野氏が務めている。現在は、TIMEMAPの趣旨に賛同したコンテンツ企業のメディアデータを検索可能。株式会社インプレスの日刊ニュースサイト「Impress Watch」(「INTERNET Watch」「PC Watch」「AKIBA PC Hotline!」「窓の杜」「GAME Watch」「AV Watch」「ケータイWatch」「クラウドWatch」「デジカメWatch」「家電Watch」「Car Watch」「トラベルWatch」)、レッドクルーズ株式会社の上場企業・官公庁・自治体のプレスリリースデータベース「JPubb」、連想出版の新書書誌データベース「新書マップ」などがインデックスされており、複数または個別のメディアやサイト/カテゴリーを指定して横断検索できる。

「TIMEMAP」トップページ
複数メディア(「Impress Watch」「JPubb」「新書マップ」)の同時検索結果例

 検索キーワードは同時に3語まで指定可能。年代ごとの出現頻度も要約グラフ(ヒートマップ、ドットマップ、折れ線グラフの3種類が選択可能)として表示する。例えば、「Netscape」「Internet Explorer」「Google Chrome」あるいは「ISDN」「ADSL」「FTTH」といったキーワードをそれぞれ同時に検索し、検索結果の年代的な分布から製品・技術などのトレンドや変遷を追うことができる。

キーワード3語(「Netscape」「Internet Explorer」「Google Chrome」)の同時検索結果例
2008年ごろにズームインした画面

 年表に表示された項目から各メディアの該当記事を参照できるほか、その記事を種として“連想検索”が起動する。例えば、日刊ニュースサイトである「INTERNET Watch」の1つの記事から、月刊誌として発行されていた株式会社インプレスR&Dの「インターネットマガジン」の記事アーカイブや、年鑑である「インターネット白書」の記事アーカイブなど、内容的に近い異なるメディアの情報も当時に見つけられる。連想検索とは、文書と文書の言葉の重なり具合をもとに、ある文書(検索条件)に近い文書(検索結果)を探し出す検索技術だという。

連想検索の表示例

 TIMEMAPで検索した結果は、そのままSNSで共有可能。また、埋め込み用HTMLを取得することでユーザー自身のブログなどに頻度グラフを掲載するとともに、TIMEMAPの検索結果画面に直接リンクさせることが可能だ。

 タイムマップでは同社の事業内容について「編集された知識情報を著作権者の協力のもと広く収集・公開し、時間軸によって横断的かつ柔軟に整理・分類表示することで、人類の知恵 とも言うべき歴史情報資産のさらなる利活用を促進し、もって社会の発展 に寄与することを目的とする」と説明。今後も新たなコンテンツパートナーを募集する。また、TIMEMAPのシステムをメディア企業に提供する事業も視野に入れているという。