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九州大・箱崎キャンパス跡地にスマートシティ建設計画、福岡市らが推進する「FUKUOKA Smart EAST」

「FUKUOKA Smart EAST」公式サイト

 福岡地域戦略推進協議会(FDC)主催のセミナーが15日に東京都内で開催され、スマートシティ計画「FUKUOKA Smart EAST」について紹介された。

 FDCは、福岡都市圏の周辺自治体10市7町(面積は札幌市程度、人口は250万人程度)の広域連携および官民連携を進めている団体で、福岡市とともに実証実験や新しいソリューションの開発に取り組んでいる。「FUKUOKA Smart EAST」とは、福岡市の東部の箱崎地区にある、国立九州大学・箱崎キャンパスの跡地を活用し、官民学が提携して建設していくスマートシティ計画のこと。福岡市全体でスマートシティを目指すが、まず箱崎地区での街づくりを行い、実証実験を行っていく。

福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長の石丸修平氏

 セミナーではまず、FDC事務局長の石丸修平氏が登壇。「既成市街地へのスマートシティ導入には、さまざまな課題がある。ゼロから新しいスマートシティを実装していく場合、コンパクトシティと呼ばれる福岡の、その中でも都心の九州大学の跡地を活用でき、実現できる場所がある。最先端の技術を導入する次世代の街づくりをしていきたい」と述べ、箱崎地区の立地の良さをアピールした。

 同跡地は福岡市内中心部や福岡空港からそれぞれ5kmに立地。地下鉄箱崎線とJR鹿児島本線に挟まれた土地で、地下鉄箱崎線・西鉄貝塚線の貝塚駅、地下鉄箱崎線の箱崎九大前駅、それにJR鹿児島本線の箱崎駅という3線・3駅が利用できる。JR線からは博多駅、地下鉄線からは天神駅へアクセスが可能だ。跡地の広さは50ヘクタール(約15万坪)で、東京でいえば、六本木ヒルズから虎ノ門ヒルズまでをカバーする領域となる。

「FUKUOKA Smart EAST」公式サイトにある箱崎地区の広さの比較図。他に、大阪の地図に重ね合わせることもできる

 日本総合研究所が企画・運営している、異業種連携による事業開発コンソーシアム「III(トリプルアイ)」が主催するインキュベーションアクセラレーションプログラム「未来スマートシティチャレンジ」とも提携。スタートアップの企業と実証実験に行っている。

 福岡市、九州大学、独立行政法人都市再生機構(UR)、FDCでは「FUKUOKA Smart EAST推進コンソーシアム」を設立。スマートシティ実現の実証実験を行い、将来のスマートシティ実現のための要件のキャッチアップをしていく。福岡市はスマートシティのモデルとして、トロントやヘルシンキなど海外の人口100万~300万都市を中心に参考にしているが、コンソーシアムの設立が重要と認識している。

 福岡市と九州大学は「九州大学箱崎キャンパス跡地グランドデザイン」を策定。ここで挙げられてるサービスの例として、スマートシティの要素である「移動」「健康」「共有」「生活」「買い物」「製造」「物流」「教育」「労働」「エネルギー」「安全」が挙げられている。石丸氏によれば「50ヘクタールという広さがあるため、さまざまな用途に使われるだろうし、さまざまな企業との提携が必要と認識している。また、周辺には旧市街地もあり、旧住民への理解促進的な意味でも社会実験を行っていきたい。多様な事業者から声をいただき、連携可能性の提案をいただきたい」と語った。

 移動(モビリティ)の例としては自動運転が挙げられたが、その移動にしても箱崎地域に限ったソリューションではなく、将来的には福岡市全体で活用できるソリューションを検討していくとしている。また、立地としては空港からすぐ近くではあるが、ドローンについてもレギュレーションを変えていくことで対応していきたいとしている。

 今後の予定として、2019年には1年ぐらいかけて街をどういうふうにしていくのかという要件のキャッチアップを行い、2020年以降には実際の要件定義がされ、実際のスマートシティが建設されていく予定。石丸氏は「政府のバックアップを受けた、日本でも過去に例のないゼロからの街づくり。やる気ある民間企業と行政のリーダーシップで実現していきたい」と意欲を見せた。