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FTTH契約数、今後5年で3446万件に増加、年平均成長率2.0%~MM総研が予測

 株式会社MM総研は、2019年3月末現在の「ブロードバンド回線事業者の加入件数調査」の結果を発表した。FTTHの契約数は3115.6万件で、2018年3月から86.2万件増加した。携帯電話事業者による光コラボレーションとケーブルテレビ(CATV)の光化の進展により数を伸ばしたとしている。

 この調査では、FTTH、CATV、ADSLのほかに、固定での利用を前提としたLTEやWiMAXなどの無線を用いたインターネット接続サービスもブロードバンド回線と定義。また、CATVのうちフル光化された回線はFTTHに含まれている。

NTT東西のFTTHのうち、60.2%が光コラボレーション

 FTTHの回線事業者シェアは、NTT東日本、NTT西日本、KDDI、オプテージの順だ。このFTTH回線のうち、67.6%はNTT東日本とNTT西日本が占める。さらにNTT東西の光コラボレーションの回線は1269万件で、2社が提供する2107.8万件のうち60.2%に達している。

 また、FTTHのISPシェアは、NTTコミュニケーションズ(OCN)、ソフトバンク、ソニーネットワークコミュニケーションズ(So-net)、ビッグローブ、NTTぷららと続いている。

FTTHの回線事業者とISPのシェア

ブロードバンド回線のISP、トップはソフトバンク

 FTTHに限らず、ADSL、CATV、ワイヤレスを含んだブロードバンド回線のISPのシェアは、ソフトバンク、NTTコミュニケーションズ、J:COM、So-net、ビッグローブ、ぷらら、KDDI、オプテージ、ニフティの順だ。

固定系ブロードバンド回線のISPのシェア

固定系ブロードバンドにおける“ワイヤレス”の増加

 これまでブロードバンド回線といえば、FTTH、CATV、ADSLの3つが主流だった。しかし、固定系のワイヤレス回線の増加も見られる。代表的なサービスとして、据え置き型の4Gルーターでインターネット接続を提供する「SoftBank Air」が挙げられる。

 このようなワイヤレス回線によるブロードバンド接続サービスの契約数は、2019年3月末の時点で316万件。これが2020年3月末には416万件、2024年3月末には755万件にまで伸びるとしている。この2024年の数字は、2019年と比べると2.4倍で、固定系ブロードバンド回線のうち15.6%を占めるほどにまで成長するとしている。

 MM総研では、ワイヤレス回線のブロードバンド接続のメリットとして、「開通工事が不要ですぐに利用を開始できる」という利点を挙げている。

今後のブロードバンド回線を取り巻く環境は?

 今後のブロードバンド回線を取り巻く環境として、ADSLの終了、5Gの開始、FTTH最大10Gbpsへの増速の3点がある。これはブロードバンド回線にどのような影響を与えるのだろうか。

 ADSLは2023年以降に終了するため今後は減少していくが、FTTHとワイヤレスの増加により、引き続き固定系ブロードバンド市場は拡大。2020年春以降に5Gのサービスが開始され、FTTHの成長を押し下げる要因となるものの、FTTHの最大10Gbpsの接続サービス、ADSLやナローバンドからの移行、CATVの光化がプラス要因に働く。

 その結果、FTTH契約数は、2020年3月には3208万件、2024年3月には3446万件に増加すると予測しており、2019年度以降の5年間の年平均成長率は2.0%としている。

固定系ブロードバンド契約数の推移・予測。FTTHは年平均成長率2.0%での増加だが、ワイヤレスは2024年には2019年の2.4倍の契約数が予測される