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フラッシュを使ったDC向けストレージのPure Storage、自社イベントを開催、日本市場は176%の高成長

3年ごとに最新ハードに更新、「常に最高性能のストレージを利用可能」

 エンタープライズ向けストレージベンダの「Pure Storage」(ピュア・ストレージ)は、アメリカ合衆国テキサス州の州都オースティンにあるオースティン・コンベンションセンターで9月16日~9月18日(現地時間)の3日間に渡って年次プライベートイベント「Pure//Accelerate 2019」を開催している。

 初日となった9月16日(現地時間)には、同社のパートナー向けのセッションや、報道関係者向けの記者説明会などが行なわれた。この中でPure Storageは、「International Business Overview」と呼ばれるセッションを行ない、同社のグローバルのビジネス状況などに関しての説明を行なった。

3年ごとに最新版にアップグレードされるフラッシュメモリHW+独自SWの組み合わせてで差別化

Pure StorageのFlashArray //X
Pure StorageのFlashBlade

 Pure Storageは2009年に創業した新興のストレージベンダーで、主にデータセンター向けのフラッシュメモリベースのストレージを顧客に提供している。

 Dell EMC、HPE、NetAppsといった従来からデータセンター用ストレージを提供してきたベンダとの大きな違いは、ストレージの種類を高速なフラッシュメモリに限っていること、そしてそのストレージを管理するソフトウェアの「Purity」によりソフトウェア的にコントロールすることが可能になっていることだ。

 このPurityにより、同社が提供するストレージはソフトウェア的に仮想化されている形になり、種類が異なるストレージもアプリケーションからは大きな1つのストレージとして見えるようになっている。このため、物理的なフラッシュメモリだけを交換したりという使い方が可能で、同社の一般的な契約では3年ごとにハードウェアを最新の製品に入れ替えて利用するため、ユーザーは常に最新のハードウェアを利用してその時点で最高性能のストレージを利用できるというメリットがある。

 Pure Storageがオンプレミス向けに提供しているストレージハードウェアは大きくいうと2つある。1つはFlashArrayで、1つのストレージコントローラに複数のフラッシュメモリがぶら下がる形になっている。もう1つがFlashBladeで、コントローラとフラッシュメモリをそれぞれ搭載しているブレードが複数搭載できる形になっている。前者は一般的なストレージとしての用途を意識しており、後者はより大規模なシステム向けのストレージとして位置づけられている。
 そうした強力なフラッシュメモリのストレージハードウェアと、Purityなどの独自のソフトウェアソリューションにより、他社との差別化を図っている、それがPure Storageのビジネスモデルだ。

日本市場は1年前に比べて176%の売り上げ増2020年の潜在市場は500億ドル

Pure Storage 国際担当 副社長 ジェームス・ペッター氏

 Pure Storageはアメリカ合衆国テキサス州の州都オースティンにあるオースティン・コンベンションセンター開催されている年次プライベートイベント「Pure//Accelerate 2019」に合わせて記者説明会を行ない、同社のビジネスの現況を説明した。

Pure Storageの現状、2020年度には潜在市場は500億ドルに達する見通し
2016年は240億ドルだったので、2020年には市場規模が倍に
マーケットシェア
マーケットシェアの伸び率、競合他社に比べて高いことがわかる

 Pure Storage 国際担当 副社長 ジェームス・ペッター氏によれば同社の会計年度で2020年(FY20)の同社の市場での潜在市場は500億ドル超と予測されており、同社の会計年度で2016(FY16)の240億ドルに比べて倍以上になる見通しだという。

 同社の市場シェアも徐々に上昇しており、2014年には11位だった市場シェアは、現在は6位にまで上昇しており、2020年には4位になる見通しだという。ペッター氏によれば「シェアの上昇率は他社がマイナスであるのに対して、Pure Storageはプラスになっている」とのことで、シェアが年々増えていっていると説明した。

米国外の売り上げは同社全体の28.5%
売り上げチャネルなどが増えている

 そうしたPure Storageの本国アメリカ以外のビジネスも成長しており、米国外の市場は今年の前半の段階で全体の28.5%に達しているという。
 同社では世界の地域を、APJ(エーピージェイ、アジア・パシフィック・日本地域)、EMEA(エミア、欧州・中東・アフリカ地域)、ラテンアメリカの3つに分けており、それぞれの地域での伸びなどが説明された。

APJ全体では45%の売り上げアップだが、日本市場は176%と驚異的な成長を遂げた
オーストラリア、日本、韓国の状況
シンガポール、香港、台湾の状況
APJのカスタマー

 日本が属するAPJリージョンでは、日本市場の伸びが大きかったという。今年の第2四半期の決算では1年前に比べて実に176%も売り上げが増えたという。ペッター氏によれば「日本市場は今最も伸びている市場」とのことで、日本法人は新しいオフィスへの引っ越しも行ない、従業員数も40%増えていると説明した。なお、アジア全体では45%の売り上げアップということなので、日本市場が順調に伸びていることがここからうかがえる。APJ地域の顧客としては、NTTデータ、NTTぷらら、ブラザー、ソニー、スクエア・エニックスなどが紹介された。

EMEA地域の状況
ラテンアメリカ地域の状況
顧客満足度も上がっている

 EMEAでは市場全体が3.2%減少する中、Pure Storageは14.3%の成長を見せ、ラテンアメリカでは6.14%の成長という結果になったとペッター氏は説明した。
 Pure//Accelerate 2019全体の基調講演は、現地時間9月17日午前9時(日本時間9月17日23時)から行なわれる予定になっており、そこで同社の新しい製品などが発表される見通しだ。