楽曲無許諾使用の結婚式動画も収益に、YouTubeのマネタイズ事例


コンテンツIDシステム

 グーグルは4日、報道関係者向けの定例会見において、動画共有サイト「YouTube」の「コンテンツIDシステム」を利用したパートナー企業のマネタイズについて紹介した。

 「コンテンツIDシステム」では、著作権法に違反した動画を自動的に検出できる。同システムを利用するパートナー企業が登録したオリジナル動画と、ユーザーの投稿動画と照合し、オリジナルと映像や音声が同じ投稿動画をパートナー企業に報告する。

 グーグルの徳生裕人氏(YouTube日本・アジア太平洋地域担当シニアプロダクトマネージャー)は、「違法動画を見つけた場合、ブロックするのが普通だが、YouTubeの場合はそれだけでなく、ユーザーのトラフィック情報などを取得する『トラック』、収益につなげるための『マネタイズ』といった選択肢を用意しているのが特徴」と説明した。

 マネタイズの例として、結婚式でダンスする動画「JK Wedding Entrance Dance」を紹介。この動画では、音楽にクリス・ブラウンの「Forever」が無許可で使われていたが、音楽レーベルはマネタイズを利用し、動画からiTunesで楽曲を購入できるリンクや、再生ページに広告を設置した。また、音楽レーベルが投稿している当該楽曲のミュージックビデオの再生数も伸びたという。

 徳生氏は、「著作権法違反の場合、ユーザーが熱狂的に見ていたとしても、これまで1円にもならなかった。YouTubeでは、マネタイズによりパートナー企業は収益の機会にできる。ユーザーも動画が削除されない」とアピールした。

違反報告を受けた後のオプションマネタイズの例

 


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(野津 誠)

2009/8/4 16:57