「TVブレイク」運営会社に9000万円の損害賠償命令、著作権侵害で


「TVブレイク」のサイトにはジャストオンラインのコメントが掲載されている

 東京地方裁判所は13日、動画投稿サイト「TVブレイク」を運営するジャストオンライン株式会社に対して、日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権を管理する著作物を含む動画ファイルの送信差し止めを命じるとともに、同社および代表者の今崎善秀氏に連帯して著作権侵害による損害賠償金約9000万円の支払いを命じる判決を下した。

 今回の判決で東京地裁は、TVブレイクに投稿されていた動画ファイルについて、「控えめに侵害率を計算しても、侵害率は49.51%と約5割に達している」と指摘。さらに、ジャストオンラインは著作権侵害を認識していたにもかかわらず、何ら有効な対策手段をとらず、著作権侵害行為によって利益を得ていたとしている。

 東京地裁は、ジャストオンラインがTVブレイクで行われる複製および公衆送信の主体であり、かつ、プロバイダ責任制限法における発信者に該当すると判断。こうしたことから、JASRACの有する複製権および公衆送信権に基づく差し止め請求、および損害賠償請求を認めた。

 JASRACは2008年8月6日、ジャストオンラインらを被告として、JASRAC管理著作物を含む動画ファイルの送信差し止めと損害賠償金1億2000万円余の支払いを求める訴訟を提起していた。今回の判決についてJASRACは、「動画投稿サイトにおける著作物の利用に関して、運営事業者に著作物の利用主体としての責任が及ぶことを明確に示した」と評価している。

 JASRACによれば、日本の動画投稿サイトは約60サイトが確認されており、うち25のサイトとJASRAC管理著作物の利用許諾契約を締結しているという。「残りのサイトの多くは、権利侵害動画を自主的に削除するなど、管理著作物を利用しない方針でサイトを運営している」(JASRAC)。


【追記 20:20】
 今回の判決についてジャストオンラインは13日、「とんだ13日の金曜日です」とのコメントを発表。今後の対応については協議中としている。


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(増田 覚)

2009/11/13 18:31