第15回AMDアワード、大賞は「セカイカメラ」


受賞者と審査会メンバー

 デジタルメディア協会(AMD)は17日、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’09/第15回AMDアワード」の授賞式を東京・元赤坂の明治記念館で開催した。大賞/総務大臣賞には頓智ドット株式会社のiPhone用アプリケーション「セカイカメラ」、AMD理事長賞にはスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」が選ばれた。

 AMDアワード審査会は、「セカイカメラ」について、現実環境に電子情報を付加する拡張現実(AR)が、わかりやすさと可能性で多くの人々を魅了したと評価。App Store公開後、4日で10万ダウンロードを記録するなど、「AR台頭元年をメイド・イン・ジャパンが飾った」と称えた。

 「ドラゴンクエストIX」に関しては、ドラクエシリーズとしては初めて携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」のプラットフォームで、Wi-Fi機能も駆使して開発されたことを評価。発売以来415万本(12月現在)を突破し、シリーズ最高売り上げを記録するなど「制作陣が総合力でドラクエファンの高い期待に応えた」と称賛した。

頓智ドットの井口尊仁社長

 授賞式では、「セカイカメラ」を開発した頓智ドットの井口尊仁社長が登壇し、「ITというと、大きなパラダイムチェンジの時には必ず黒船がやってきた。しかし、セカイカメラは逆黒船として世界に進出する。1990年代はマイクロソフト、2000年代はグーグルの時代と言われたが、2010年代はセカイカメラの時代だ」とアピールした。

 また、「ドラゴンクエストIX」のゲームデザイナーである堀井雄司氏は、「すれちがい通信やサンシャイン牧場、Twitterをやってみると、人は人が好きだと言うことがわかる。コンテンツは人の温かみに触れるメディア。結局は何をやるかではなく、人とのつながりを生み出すことを忘れなければ、どんどん面白いものが生まれてくる」と語った。

 このほか、授賞式には原口一博総務大臣が出席し、「総務省は一人一人の挑戦を信じる。役所はすぐに規制だなんだというが、そういうことは一切しない。余計なことをやるようだったら、ぜひ非Twitterでつぶやいてほしい」と呼びかけ、会場の笑いを誘う一幕も見られた。

 大賞/総務大臣賞およびAMD理事長賞は、2009年1月1日から12月31日までに日本国内において発売・発表されたデジタルコンテンツや、最新のデジタル技術を駆使したコンテンツ・サービスから選出された。

原口一博総務大臣「ドラゴンクエストIX」ゲームデザイナーの堀井雄司氏

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(増田 覚)

2010/3/17 20:07