PC向け「Yahoo!モバゲー」立ち上げへ、ヤフーとDeNAが提携


ヤフーの井上雅博社長(左)とDeNAの南場智子社長(右)

 ヤフーとディー・エヌ・エー(DeNA)は27日、ソーシャルゲーム事業で業務提携することで合意したと発表した。「Yahoo!モバゲー(仮称)」を今年夏に立ち上げる予定。

 「Yahoo!モバゲー(仮称)」は、DeNAが展開している携帯電話向けソーシャルゲームサイト「モバゲータウン」と共通の利用者基盤を持つ、PC向けのソーシャルゲームプラットフォームとなる。「モバゲータウン」の定番タイトルの移植のほか、新ゲームの開発・展開、既存のソーシャルグラフの展開などを予定する。「Yahoo!ウォレット」決済にも対応する。

 このほか、PCと携帯電話の双方における連携として、アクティブユーザーが2400万人を超えるというYahoo! JAPAN IDと、1800万人を超えるというモバゲータウンIDの相互利用を実現させる。

 まずは初夏にゲームデベロッパー向けに開発環境の提供を開始、晩夏に「Yahoo!モバゲー(仮称)」のサービスを開始する予定。デベロッパーには、同一ゲームをPCと携帯電話の双方で展開できる開発環境を用意する。モバゲーAPIを用いたゲーム開発・展開により、市場拡大の促進が期待されるとしている。

【追記 20:35】
 ヤフーの井上雅博社長とDeNAの南場智子社長は27日、「Yahoo!モバゲー」の業務提携について共同で記者会見を開催した。

 井上氏は、「国内No.1ポータルのYahoo! JAPANと、国内No.1モバイルゲームのモバゲーの強みを結集することで、PCにおけるNo.1ソーシャルゲームサービスを展開する」と説明。幅広いユーザー層に高品質なゲームコンテンツを提供するとともに、ゲームデベロッパーに対しても新たなビジネスチャンスを提供していきたいと語った。

 また、日本では現状はモバイルを中心にソーシャルゲーム市場が拡大しているが、海外ではPCを中心に市場が拡大しており、日本でも今後はPCもソーシャルゲーム市場の高い成長が見込めると説明。Yahoo! JAPANとモバゲータウンの双方から「Yahoo!モバゲー(仮称)」への誘導を進めていくとした。

Yahoo! JAPANとモバゲータウン、No.1の両社の強みを結集すると説明Yahoo! JAPANやモバゲータウンから誘導を促進していく

 南場氏は、モバゲータウンにソーシャルゲームを導入した2009年10月以降に、売上高と月間ページビューが急拡大したことを紹介し、これがPCへのソーシャルゲーム展開と、ヤフーとの提携を考えるきっかけになったと説明。DeNAだけではPCのユーザーベースが小さいため、PCポータルサイトの最大手であるヤフーと組んでサービスを展開していくことで、新たなソーシャルゲームのユーザー層が創出できるとした。

 協業の狙いについて南場氏は、モバゲータウンのユーザーは20代以下が中心で、国内SNSも似たような状況にあるが、英米ではソーシャルゲームユーザーは30代以上が中心となっており、今後「Yahoo!モバゲー(仮称)」でも30代以上のユーザーを取り込んでいきたいと説明。現状の「Yahoo!ゲーム」も30代以上が中心となっており、モバゲータウンでも30代以上のARPUは他年代に比べて高いため、ARPUの面からも30代以上のユーザー拡大に期待しているとした。

 「Yahoo!モバゲー(仮称)」のサービスイメージとしては、携帯電話の「モバゲータウン」でプレイしていたゲームを、PCの「Yahoo!モバゲー(仮称)」で継続できるような、PC・モバイル共通でプレイできるゲームをイメージしており、そうしたゲームの開発をデベロッパーに呼びかけていくとした。

ソーシャルゲーム導入以降、モバゲータウンの売上・PVとも急上昇「Yahoo!モバゲー(仮称)」は30代以上のユーザー獲得に期待
PCとモバイルで共通にプレイできるゲームをイメージデベロッパーに対してもPC・モバイル連携のゲーム開発を呼びかけていく

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(三柳 英樹)

2010/4/27 16:34