Android版Firefoxは2010年末以降の公開、Mozillaが方針を説明


Firefox for Mobile(Fennec)のAndroid版

 Mozilla Japanは30日、開発中のAndroid向けブラウザー「Firefox for Mobile」(開発コード:Fennec)について、今後のスケジュールや実機によるデモなどを披露した。

 「Firefox for Mobile」は、Nokiaが海外で販売しているLinuxベースの端末「Maemo」(N900)向けに、正式版(バージョン1.0)が公開されている。Mozillaでは、Firefox for Mobileのバージョン1.1を7月頃に公開し、Android版については2010年末から2011年に公開予定のバージョン2.0で対応する計画としている。

 Firefox for Mobileでは、PC用のFirefoxと同じレンダリングエンジンを採用。PCでのブラウジングと同じ体験がモバイルデバイスでも行えることを目指している。ユーザーインターフェイスもタッチデバイス向けに、画面をスライドさせることで左側にタブ切り替えなどのメニュー、右側にブックマークや移動ボタンなどを配置し、ウェブページはなるべく全画面で表示するようになっている。

画面を右側にスライドさせるとタブ機能などのメニューが表示される反対側にはブックマークやページ移動ボタンなど

 Android版のFirefox for Mobile 2.0は、Android 2.1以降が対象となる。マルチプロセスアーキテクチャを採用し、レンダリングエンジンには「Firefox 4」に搭載予定のGecko 1.9.3を採用。Firefox 4と同様に、モバイル版でもHTML5やCSS3をサポートする。

 PCとモバイルの連携機能としては、複数のFirefox環境を同期できる「Firefox Sync」を搭載する。PC版のFirefoxのブックマークをモバイルから参照したり、モバイルで見ていたページの続きをPCで見るといった使い方が可能となる。ブックマーク、パスワード、設定、履歴、タブの各項目ごとに同期するかどうかを設定でき、データは暗号化した上でMozillaのサーバーに送信する。

 現在、Android版のFirefox for Mobileの開発状況としては「アルファ版以前の状態」とのことだが、開発者向けビルドがMozillaのサイトで公開されている。ソフトバンクモバイルの「HTC Desire」を使って披露された実機デモは、文字入力の際などに不安定な部分はあるものの、ウェブの表示やタブ切り替えなどはかなりスムーズに行えた。スケジュールとしては、PC版の「Firefox 4」を公開した後に、Firefox for Mobile 2.0を公開する予定だという。

Android版は2010年末以降の「バージョン2.0」で対応予定「Firefox 4」と同じレンダリングエンジンを搭載する

 また、MozillaではiPhone向けにも、Firefox Syncの仕組みを利用したアプリ「Firefox Home」を提供する。Mozillaでは、iPhone向けのブラウザーは開発に制約があるため開発を行っていないが、iPhoneの内蔵ブラウザーでFirefoxのロケーションバー機能やブックマーク同期機能を使えるアプリとして「Firefox Home」を提供する。ウェブページの表示には内蔵ブラウザーのSafariを使用する。Firefox HomeはまもなくApp Storeに申請する予定で、近日中に公開の見込みだとしている。

iPhoneアプリとして公開を予定している「Firefox Home」FirefoxのロケーションバーやブックマークをiPhone(Safari)から利用できる

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(三柳 英樹)

2010/6/30 17:54