MSの検索エンジン「Bing」、特定分野の検索で大きな成長率


 米調査会社Experian Hitwiseは8日、米国の検索エンジン市場に関する調査結果を発表した。

 米Googleのシェアは依然として7割を超え、確固たる首位を保っているものの、MicrosoftのBingは特定分野の検索(バーチカルサーチ)で3桁の成長率を示し、シェアを伸ばしつつある。

 調査は、2010年6月に米国1000万人のネットユーザーを対象に行われた。調査結果によると、Googleの市場シェアは71.65%で前月比1%減。以下はYahoo!は14.38%で変わらず、Bingは9.85%で前月比7%増、Ask.comは2.19%で前月比2%増と続く。Googleは依然として米国検索エンジン市場で支配的な地位を占めている様子がわかる結果となっているが、そんな中でもBingのシェアが大きく増加しているのが目を引く。

 また、この調査では、特定分野の検索―――特に自動車、健康医療、ショッピング、旅行の4分野に関する検査市場シェアも公開されている。特定分野の検索に限っては、GoogleとYahoo!は成長率で1割前後の増減にとどまる一方で、Bingは4分野すべてで圧倒的に大きな成長率を示している。

 詳しく見ると、Bingは2010年6月に、自動車分野のシェアで3.09%で昨年比197%増、健康医療分野で4.22%のシェアで昨年比94%増、ショッピングの分野で2.81%のシェアで昨年比199%増、旅行分野で3.40%のシェアで昨年比162%増となった。シェア自体はまだ小さいが、こうした特定分野の検索ではユーザーの支持を集めつつあることがわかる。

 一方、大きなシェアを占めるGoogleとYahoo!の特定分野検索での増減率を見ると、自動車とショッピングの分野でいずれも昨年比約1割前後増、健康医療分野ではGoogleが昨年比8%減、Yahoo!は18%減、旅行分野ではGoogleが4%増、Yahoo!が9%減となっていた。

 Bingは、検索アルゴリズムの改良に力を入れる一方で、バーチカルサーチを分野別に強化している。全分野に力を入れているGoogleやYahoo!との差別化が見られるようだ。

 7月13日には日本国内でも新装Bingが公開される予定となっており、国内市場にもどのような変化が起きるかに注目が集まりそうだ。


関連情報

(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/7/9 10:01