シックス・アパートがEvernoteと連携、サイトメモリーボタンを実装へ


TypePadにサイトメモリーボタンを実装したイメージ

 シックス・アパート株式会社は20日、クラウド型データ管理サービス「Evernote」に自社製品を対応させると発表した。ウェブサイト管理ソフト「Movable Type 5」に導入可能な「ClipToEvernote プラグイン(仮称)」を開発し、11月にベータ版を無償公開する。

 ClipToEvernote プラグインをインストールすると、Movable Typeの記事を公開したタイミングで、事前に指定したEvernoteのノートブックに自動的にクリップすることが可能となる。

 これにより、Movable Typeを活用して構築されたコンテンツ管理システム(CMS)やブログなどの情報がEvernoteにシームレスに保存されるため、発信したウェブコンテンツの整理や再利用を推進できるという。

 同社ではさらに、ブログサービス「TypePad」、ブログやメディアをソーシャルメディアと相互連携させるツール「zenback」でもEvernoteと連携。具体的には、サイト訪問者が気に入ったページをEvernoteに保存できる「サイトメモリーボタン」を実装する。

 これにより、TypePadで作成されたブログやzenbackを導入しているブログの読者は、サイトメモリーボタンを1クリックするだけで、そのページの内容をEvernoteに保存できる。Evernote内でのノートのタイトルや保存先、タグを指定することも可能だ。

 ブログ開設者としても、読者に過去のコンテンツを繰り返し閲覧してもらえるメリットがあるほか、サイトメモリーボタンを設置したサイト経由で読者がEvernoteに登録し、プレミアムプランに加入すると、報酬がもらえるアフィリエイトプログラムも利用できる。

 サイトメモリーボタンの導入機能を提供する時期は、法人向けの「TypePad ビジネス」が11月16日、個人向けの「TypePad Pro」が10月27日、zenbackは10月末の予定。

 20日に開かれた会見には米EvernoteでCEOを務めるPhill Libin氏も出席し、「米国内では大手ブログと連携しているが、シックス・アパートとの連携を通じて、より多くの日本のユーザーにもEvernoteの利点を体験してもらえる」と喜びのコメントを寄せた。

 また、シックスアパートとの協業は2段階あるといい、「ステップ1」にあたる今回のサービス連携に加えて、「ステップ2」ではEvernoteに保存したコンテンツをブログに投稿する機能を提供すると語った。具体的な時期は未定だが、「遠い未来ではない」という。

 シックス・アパート代表取締役社長の関信浩氏は、12月をめどに米Video Eggが親会社の米Six Apartと合併することを挙げ、「合併により日本の開発が止まっているのではという指摘もあったが、今回の連携は開発が進んでいることの表れ」とアピールした。

シックス・アパート代表取締役社長の関信浩氏米EvernoteでCEOを務めるPhill Libin氏

関連情報

(増田 覚)

2010/10/20 16:57