総務省、「光の道」構想の基本方針を決定


 総務省は14日、「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」の政策決定プラットフォームを開催し、「光の道」構想に関する基本方針を決定した。

 「光の道」構想は、2015年ごろをめどに日本のすべての世帯におけるブロードバンド利用の実現を目標とするもの。総務省では、2009年10月から「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」でこの構想の実現に向けた議論を進めてきたが、今回、合同作業部会からの最終報告を受け、基本方針を決定した。

 合同部会の「光の道」構想実現に向けたとりまとめでは、インフラ整備に向けたサービス競争促進の観点から、NTT東西が保有する家庭へのアクセス回線などのボトルネック設備を、他社も同等に利用できることが必要と指摘。このために、NTT東西のボトルネック設備保有部門について、他の部門から人事や会計などの面で切り離す「機能分離」を行うことを提言している。

 基本方針ではこの提言を受け、機能分離の実施などについて具体的内容を早急に確定し、関係法律の改正案を次期通常国会に提出するとしている。また、加入光ファイバーの接続料についても、低廉化に向けて総務省およびNTTにおいて、2011年度以降の算定方法の見直しに向けた具体的な検討を早急に開始し、年度内をめどに成案を得ることとしている。

 ソフトバンクが提案していた、NTT東西のアクセス回線部門を分社化する案については、実現には不確実性が高いと考えられるとして退けられた。

 基本方針では、NTT東西の規制の遵守状況や、料金の低廉化や市場シェアの動向、「光の道」構想に関する取組状況などについて3年をめどに包括的な検証を行い、進展が十分でない場合については構造分離や資本分離を含めたさらなる措置についての検討を行うとしている。

 また、第4世代移動通信システムなど新たな無線システムに関しては、諸外国で実施されているオークションの導入についても早急に検討の場を設けて議論を進めることも、基本方針として決定。ワイヤレスブロードバンド事業者による既存の周波数利用者の移行コストの負担については、オークションの考え方を取り入れた制度を創設するため、関係法律の改正案を次期通常国会に提出するとしている。


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(三柳 英樹)

2010/12/15 15:50