GoogleがChromeのH.264サポート終了を説明、SafariとIE9向けにプラグインも


 米Googleは14日、ウェブブラウザー「Google Chrome」でH.264コーデックのサポートを打ち切る方針を示したことについて、決定の理由や今後の方針をオープンソースブラウザープロジェクト「Chromium」の公式ブログで明らかにした。

 Googleでは、HTML5のvideoタグでは、SafariとInternet Explorer 9(IE9)ではH.264をサポートしているが、FirefoxとOperaはライセンス料の問題でH.264をサポートしていないなど、標準ビデオコーデックについて合意が得られていないことが理想的な状況ではないと説明。コンテンツ製作者なども複数のコーデックに対応しなければならない状況となっており、WebMを普及させることでこうした状況を改善することが今回の決定の目的だとしている。

 Googleでは、H.264はコンテンツ制作者や開発者、ハードウェアメーカーなどの支持を受けていることは理解しているが、HTML5の標準ビデオコーデックとしてライセンス料が必要なH.264が合意を得ることは難しいと説明。ライセンス料はGoogleのような企業にはとっては大きな問題とはならないが、次世代のスタートアップ企業や新興国市場にとっては、こうした手数料は技術促進を阻害する要因であり、核となるウェブ技術はオープンなコミュニティによってによって開発されるべきだとして、オープンプロジェクトのWebMを推進していくとしている。

 また、今回の決定はHTML5のvideoタグに関するもので、FlashやSilverlightなどのプラグインを通じたH.264コーデックの動画はこれまで通り利用できると説明。WebMは多数のウェブコミュニティによって支えられているもので、Googleはその中の1企業に過ぎず、Googleがビデオフォーマットを支配しようとするようなものではないとしている。

 コンテンツ制作者が複数のフォーマットを用意しなければならない状況は続くのではないかという懸念に対しては、FirefoxとOperaもH.264をサポートしないことから、H.264以外のフォーマットが必要な状況は変わらないと説明。また、WebMのプロジェクトチームでは、まもなくSafariとIE9向けのWebM対応プラグインをリリースする予定だとした。


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(三柳 英樹)

2011/1/17 13:50