角川グループとグリーが提携、電子書籍や涼宮ハルヒのアプリをGREEに提供


角川グループホールディングスの角川歴彦会長とグリーの田中良和社長

 株式会社角川グループホールディングスとグリー株式会社は24日、インターネットコンテンツ事業での業務提携を発表した。角川グループがSNS「GREE」に対して、電子書籍アプリや「涼宮ハルヒの憂鬱」などのソーシャルゲームなどを提供。両社で共同プロモーションも展開する。

 今回の提携により、角川グループでは電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」の電子書籍が閲覧できるアプリを、2011年夏ごろをめどにGREEのアプリプラットフォーム「GREE Platform」で提供する。書籍の購入履歴や書評などを友達と共有し、友達が欲しがっている書籍をプレゼントできるなどの機能を備えた「ソーシャル電子書籍アプリ」となり、BOOK☆WALKERで販売されている書籍はすべてアプリ上でも閲覧できるようにしていく予定。

 また、角川グループのコンテンツを活用したソーシャルゲームも、GREE Platformに提供していく。第1弾として、現在アニメがテレビ放映中のライトノベル「GOSICK」のソーシャルゲームを近日中に提供開始。今後、「涼宮ハルヒの憂鬱」や、2011年公開予定の角川映画「源氏物語」、音楽系コンテンツ「ぺらぶ!a cappella love!?」などのソーシャルゲームを順次提供していく。

「BOOK☆WALKER」の電子書籍アプリをGREEに提供「GOSICK」「涼宮ハルヒ」などのソーシャルゲームも提供する

 角川グループとグリーでは、両社のサービスやメディアを連携させた共同プロモーションも展開。3月中旬実施予定の第1弾キャンペーンでは、「GOSICK」の電子書籍をBOOK☆WALKERで購入すると限定シリアルコードが入手でき、GREEの「GOSICK」ゲーム内でコードを入力することでアイテムがもらえるといった形の連携を行う。

 角川グループホールディングス取締役会長の角川歴彦氏は、「GREEでゲームを楽しんでいる2400万人にリーチできる画期的な提携」とコメント。ソーシャルへの取り組みについては、「魔法のiらんど」が角川グループ入りした際に、多数の中学生や高校生がホームページや携帯小説を作り出していく状況から「ソーシャル性はコンテンツが飛躍するための大きなキーワードになるだろうと確信した」として、「電子書籍はプロモーションが重要だが、どこにでも顔を出すのではなく、GREEのように会員をしっかりと持っているSNSと連携することが重要。日本ならではの電子書籍の展開に期待したい」と語った。

 グリー代表取締役社長の田中良和氏は、「この数年モバイルのビジネスをやってきた中で、ソーシャルに加えてエンターテインメント性の高いコンテンツが必要だと痛感してきた。電子書籍やソーシャルゲームなど、さまざまな分野で提携していく」とコメント。「こうした取り組みは、作りながら考えていく新しい分野。角川グループのように先進的でアグレッシブな会社とやっていくことが面白いと思った」と提携の意図を語った。

角川グループとグリーで共同プロモーションも展開する(左から)グリー執行役員の小竹讃久氏、角川会長、田中社長、角川コンテンツゲート社長の浜村弘一氏

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(三柳 英樹)

2011/2/24 16:06