KDDI、「WebMoney」の完全子会社化に向け、公開買付け実施


 KDDIは、プリペイド型の電子決済サービス「WebMoney」を提供しているウェブマネーの完全子会社化を目的として、発行済み普通株式と新株予約券の全てを公開買付け(TOB)で取得する方針を明らかにした。

 KDDIはTOBの発表とともに、ウェブマネーの親会社にあたるフェイスとの間で公開買付応募契約を締結したことも公表している。これにより、フェイスが保有するウェブマネー株43.16%を取得する予定だ。なお、ウェブマネー側でもKDDIに賛同する意見表明を発表し、株主に対してTOBへの応募を推奨している。

 TOB買付け価格は1株あたりの価格は32万7000円で、新株予約権は1個1円。仮に100%の株式を取得できた場合、KDDIの買い付け総額は197億円となる。TOB期間は6月13日~7月21日。

 KDDIでは、キャリア決済サービス「auかんたん決算」など従来より決済サービスを展開しており、今後のマルチネットワーク、マルチデバイス社会においては決済サービスの拡充が不可欠としている。買い付けが実現した場合に考えられる効果として、WebMoneyとキャリア決済サービスの一体化や、auショップでの電子マネー販売、電子マネーの送金事業との連携、アジアのオンラインゲーム市場での展開などを挙げている。


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(津田 啓夢)

2011/6/10 18:00