米Twitter、ソーシャルメディア解析企業の米BackTypeを買収


 米BackTypeは5日、同社が米Twitterによって買収されたことを発表した。買収金額などの詳細は明らかにされていない。

 BackTypeは、Twitterのツイートをリアルタイムに解析し、そのリーチと話題の波及、トラフィック、売り上げなどについて分析するためのサービスと技術を提供している。

 BackTypeのサービスのうち、「BackTweets」に関しては既存ユーザーに対してはサービスを無料化する一方で、新規加入は打ち切った。また、「BackType」とAPIサービスの提供は廃止される。BackTypeの従業員はTwitterに入社後、同社オフィスに移転し、Twitterにおいてパブリッシャーパートナー企業向け製品開発に携わるとしている。

 発表文では、BackTypeが開発している「Storm」テクノロジーをTwitterで用いることが記されている。BackTypeによれば、Stormは「リアルタイム処理のHadoop」であるとしており、Twitterのすべての公開ツイート(Firehose)をリアルタイム処理できるようになる。BackTypeはこれを実現した草分け的存在で、そのため多くのメディア企業のクライアントを持つに至った。

 Twitterは以前から、コンテンツ提供パートナー企業に対して解析技術やサービスを提供するという噂がある。Twitterはメディアとして大きな影響力を持つため、Twitterにとって有力な収益化手段と考えられるからだ。今回の買収はその方向に向けて重要な意味を持つ可能性がある。また、Stormをはじめとして、優秀な才能と技術を獲得できたこともこの買収の意義といえるかもしれない。

 BackTypeはサンフランシスコに本社を持ち、インキュベーターのY Combinatorに支援を受けた。同社に出資している投資家にはY Combinatorのほか、True Ventures、Freestyle Capital、K9 Ventures、Lowercase Capital、500 Startups、その他のエンジェル投資家が含まれている。


関連情報

(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/7/6 11:37