山手線にWi-Fi経由のスマホ向け情報配信、10月に実験


 JR東日本は、山手線の車内にWi-Fi(無線LAN)アクセスポイントを設置して、スマートフォン向けの情報配信サービスを10月4日~11月2日、試験的に実施する。

 今回の試験サービスは、JR東日本が掲げる経営ビジョンにおいて、顧客満足度向上の一環として、電車内の快適性向上を図る取り組みとして行われるもの。山手線1編成(山手線では通常11の車両で1つの編成)に、同社研究所が設計した「車両内でのパーソナルな情報提供システム『infoPiC(インフォピック)』」を搭載し、スマートフォン向けに情報を配信する。「infoPiC」は、車内サーバーと無線LANアクセスポイントを組み合わせて、車内の乗客の端末に情報配信するためのシステムという。

利用イメージ

 山手線には複数の編成があるが、今回の試験は、このうち1編成のみ実施する形となり、その編成ではどの車両で、車両内のどの場所にいても情報配信が利用できる。この編成に乗り合わせた人は、誰でも試験サービスが利用できる。試験サービス開始に先駆けて、9月20日にオープンするサイトでは、「infoPiC」を搭載した試験用の編成がどこを走っているか案内するとのことで、この情報を目安にして、試験サービスの列車に乗ることもできる。

 配信される情報は、運行画面、駅構内案内、車内の温度や混雑度などの状況、クーポンなどとなる。利用時には、スマートフォンのWi-FiをONにして、接続するアクセスポイント(SSID)は「Trainnet」を選択する。パスワードは不要。ブラウザを立ち上げて更新ボタンを押すと、情報が得られる。システム上、接続できる人数の上限はあるものの、実際にどういった使い勝手になるか、利用に支障があるのかどうかといった点も検証される。

配信コンテンツの例

 JR東日本では、試験サービスを利用したユーザーにアンケートなどを行い、その内容を評価・検証し、今後の実用化を目指す。ただし現時点ではまだ導入時期などは未定で、ハードウェアの耐久性、コンテンツの内容など検証項目、課題を乗り越える必要があるという。


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(関口 聖)

2011/9/6 18:57