ヤフー通期決算、新体制で「スマホ市場でも圧倒的ナンバーワンを目指す」


 ヤフー株式会社は24日、2011年度通期(2011年4月~2012年3月)および第4四半期の決算を発表した。

 通期の連結決算は、売上高が3020億8800万円(前年度比3.3%増)、営業利益が1650億400万円(同3.4%増)、経常利益が1673億円(同4.4%増)、純利益が1005億5900万円(同9.1%増)で、15期連続の増収増益となった。

 売上高の内訳は、広告会社経由の広告を中心としたメディア事業が1102億円(前年度比0.1%増)、オンライン経由の広告や法人向けサービスを中心としたBS事業が834億円(同8.7%増)、個人向けサービスを中心としたコンシューマ事業が1049億円(同2.9%増)。期初には震災の影響を一部受けたものの、通期では広告売上が増加したほか、ゲーム関連サービスの売上の増加や、情報掲載サービスの伸びが増収に寄与した。

 決算説明会では、4月1日に新たなヤフーのCEOに就任した宮坂学氏が、ヤフーの「第二の創業」として、新体制による今後の方針を説明。ヤフーは検索やニュース、オークションといった主要分野で国内ナンバーワンの地位にあるが、急速に成長しているスマートフォン市場に対してもサービス開発の加速などを進め、「スマートフォン市場でも圧倒的ナンバーワンを目指す」とした。

 施策としては、新たな役職としてCMO(Chief Mobile Officer)を設置し、CMOを中心にスマートフォン独自のサービスも開発していくとともに、「スマートフォンではナンバーワン」のソフトバンクとの連携によるシナジー創出を目指していくと説明。また、これまではユニークユーザー数を指標としていたが、今後は1日あたり利用ブラウザー数のDUB(Daily Unique Browser)を重要経営指標と位置付け、DUBの増加を目指していくとした。

 宮坂氏は、「スマートフォン市場という新たな分野で、これまでの2倍成功するためには、10倍の挑戦が必要」として、4月1日以降は承認プロセスをそれまでの8から2に削減するとともに、企画・開発・運用を1つのスモールユニットで完結させるなど、サービス開発体制の「爆速化」を進めていることを紹介。2012年度上半期は新体制へのバトン継承と位置付け、各サービスにおける具体的な新戦略の策定や組織変更を進め、下半期から新組織による戦略を遂行していくとした。


関連情報


(三柳 英樹)

2012/4/24 19:30