不正アプリ「ぴよ盛り the Movie」供用容疑でIT関連会社の元会長ら5人逮捕


 スマートフォン(高機能携帯電話)に登録された個人情報を無断で外部に送信するアプリがインターネット上で公開されていた事件で、警視庁サイバー犯罪対策課は30日、不正指令電磁的記録(ウイルス)供用容疑で、アプリを作成したIT関連会社「アドマック」元会長、奧野博勝容疑者(36)=東京都港区赤坂=ら男女5人を逮捕した。奧野容疑者は認否を留保しているという。スマホからの大量の個人情報流出が立件されたのは初めて。

 同課によると、同社が作成したアプリは少なくとも約9万人のスマホに取り込まれ、約1183万件の電話番号やメールアドレスなどがアド社側に流出した。同課は、アド社が運営していたとみられる出会い系サイトなどの勧誘に悪用されていたとみている。

 逮捕容疑は3月下旬、IT大手「グーグル」の公式アプリ配信サイトに、スマホの個人情報を外部に送信させるウイルスを仕込んだ動画再生アプリ「ぴよ盛り the Movie」を無料配信。4月初旬に都内の女子大生(20)にダウンロードさせたとしている。

 同サイトには「連絡先データの読み取り」とする表示はあったが、電話帳のデータ全体を読み取ることは明示していなかった。

 奥野容疑者らは情報流出の発覚後にアド社を清算。社内のパソコンのデータや文書を破棄していたが、残っていたパソコンからは不正アプリが約50種類も発見されたという。

[産経新聞社]


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2012/10/31 13:04