ニュース

NTT、あらゆる物をびしょ濡れにできる液体プロジェクションマッピング技術

 日本電信電話株式会社(NTT)のコミュニケーション科学基礎研究所は、最新の研究・開発成果を一般公開するイベント「オープンハウス2014」を6月5日・6日にNTT京阪奈ビル(京都府相楽郡精華町)で開催する。

 これに先立ち2日、展示内容の一部を報道関係者向けに紹介。映像や印刷物に対して液体の質感を与える新技術を開発したことを明らかにした。

 この技術は、映像・画像に写っているものが液体に沈んで見えたり、あるいは手前を液体が流れ落ちているような効果を生み出すものだ。これまではこうした効果を本格的に再現するには液体の物理シミュレーションを行う手法があったが、NTTが開発した技術では、そうした大がかりな処理は不要で、映像・画像処理だけで行うのが特徴だ。NTTが世界で初めて解明したという人間の“液体知覚”の原理を利用し、透明な液体層の存在を人間の脳に錯覚的に感じさせているのだという。

 具体的には、映像・画像をダイナミックに変形させる歪みの大きさや滑らかさ、速さなどのパラメータが一定の範囲内にある場合に、人間が液体のように知覚するパターンがあることが割り出された。このパターンで映像・画像データに変形を加えることで“液体っぽい”動きを表現している。速さのパラメータを変えるだけで、液体がサラサラしているかドロドロしているかも調整できる。

 さらにNTTでは、映像・画像のデータを加工するのではなく、印刷物のようにすでに内容が固定されている物に対しても、同様に液体の質感を与えることにも成功した。デモでは、壁に張られたポスターが液体の下で揺れている様子を提示している。しかし、ポスター自体は印刷された静止画像だ。その上に、前述したようなダイナミックな歪みの映像をプロジェクターで投影することで液体の質感を出している。カメラで撮影したポスターの画像をその場でPCに取り込み、リアルタイムに処理して液体の質感が出る動きを付与。さらにポスターの画像との差分データのみを抽出して投影している。

手前にかざした白い用紙に投影されている映像が、静的なポスターの画像に液体の動きを付与している差分データ

 オープンハウス2014の開催時間は、6月5日が12時〜17時30分、6日が9時30分〜16時。入場は無料で、事前登録も不要。

(永沢 茂)