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マンガ・アニメを海賊版から守る「MAG PROJECT」始動、大規模削除活動展開

本物へ誘導するリンク集など啓発も

MAG(Manga-Anime Guardians)ロゴ

 日本の出版社およびアニメ関連企業15社が参加する「マンガ・アニメ海賊版対策協議会」と、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、日本のマンガ・アニメを全世界で守り、良質な作品を生むプロジェクト「MAG(Manga-Anime Guardians) PROJECT」を7月30日より展開する。

 マンガやアニメなどのコンテンツの海外展開で大きな障害になっている海賊版への対策のほか、正規コンテンツの普及も図る。文化庁が2012年度に行った調査によると、中国主要都市(北京・上海・広州・重慶)での日本のコンテンツの被害額は年間約5600億円と推計されている。経済産業省が2013年度に行った調査では、米国での被害額は約2兆円と推計されている。

 また、経済産業省の同調査からは、海賊版を利用しなくなる理由として「海賊版が見られなくなること」「正規配信が増えること」が分かっている。MAG PROJECTは、海賊版の削除を行う一方で、ファンを海賊版から正規版サイトへ誘導する仕組みを構築し、国内外の視聴者に対して普及・啓発を行う。

「MAG PROJECT」の取り組み

 海賊版の削除は、マンガ約500作品、アニメ約80作品について、8月1日より約5カ月に渡って実施。対象作品は、ネット上での侵害が確認できており、正規流通している/する予定があることが条件としている。対象サイトは、マンガでは、オンラインリーディングサイト、ストレージサイト、Torrentサイト。アニメでは、UGCサイト(動画共有・投稿サイト)、ストレージサイト、リーチサイト、Torrentサイトとなる。

 また、7月30日より、マンガ・アニメの正規版リンク集サイト「Manga-Anime here」を開設するほか、啓発活動第1弾として、「鉄腕アトム」のアトム、「名探偵コナン」の江戸川コナン、「ONE PIECE」のポートガス・D・エース、「進撃の巨人」のミカサ・アッカーマンなど、54年にわたる全42作のマンガ・アニメのキャラクターが「マンガ・アニメを愛するみんなへ。」「ありがとう」とメッセージを送るスペシャル動画「Thanks,friends」を配信。楽曲は影山ヒロノブ氏が率いるJAM Projectのほか、石田燿子氏、佐咲紗花氏、米倉千尋氏が参加するオリジナルとなる。

「Manga-Anime here」トップページ

(山川 晶之)