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LED照明に無線LANアクセスポイントを内蔵、NECが12月より出荷

 日本電気株式会社(NEC)は17日、「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」の販売を開始した。主にに法人用途を想定しており、照明の器具部に無線LANアクセスポイントを内蔵させることで、工事や電源確保の手間を軽減した。出荷開始予定日は12月1日。なお、横浜シーサイドラインでは10月下旬から、本製品を使用したWi-Fi実証実験を行う予定。

「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」(3本LED仕様の特注品)の外観。左が表面、右が裏面

 日本政府は東京オリンピックの開催年である2020年までに、訪日外国人客を年間2000万人までに拡大させるべく、「無料公衆無線LANの整備」などの方針を打ち出している。しかし、通信エリア拡大のためのアクセスポイント増設にあたっては、工事や電源の確保など、コスト面の課題があるとされる。

 NECが今回発表した「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」は、主に天井設置される照明器具にアクセスポイントを内蔵させたのが特徴。アクセスポイント用の電源を新規に確保する必要が無く、また、インターネット接続には無線LANを利用するため、工事の手間を大幅に軽減できる。NECの試算では、初期導入費を従来の7~8割に抑えられるという。

 アクセスポイントの仕様は、顧客の要望に応じて選定できる。2.4GHz帯(IEEE 802.11b/g/n)および5GHz帯(IEEE 802.11a/n)いずれもサポート可能。

 同様に、LED照明についても仕様の選択が可能。また、オプションながら、LEDの調光・点滅・調色に対応。緊急地震速報との連動や、ライン点灯による避難口誘導なども行える。

 なお、機器の価格はオープン価格。法人などによる一括導入を想定した製品で、参考価格は1台10万円弱としている。

 横浜シーサイドラインの実証実験は、新杉田駅などいくつかの駅に合計10台程度の機器を設置予定。職員の連絡業務や緊急通信に活用し、時間帯や天候による電波状況の変化なども検証する。

駅構内設置のイメージ

(森田 秀一)