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地上分解能31cmの衛星画像を販売開始、DigitalGlobeの「WorldView-3」が撮影

 株式会社NTTデータとNTT空間情報株式会社は20日、商用としては世界最高の解像度で画像撮影が可能な米DigitalGlobeの地球観測衛星「WorldView-3」の衛星画像を提供開始した。

40cmイメージの衛星画像サンプル
「WorldView-3」の外観

 WorldView-3は、地上分解能31cmの「パンクロマチック画像センサー」を搭載し、航空写真と同精度の衛星画像が撮影可能。建物や車の車種の識別のほか、施設・設備の状況、樹木一本一本を判別できるという。

 また、商用世界初の16波長帯の「マルチスペクトル画像センサー」を搭載。一般的な衛星で観測できる青、緑、赤、近赤外の4つの波長帯に加えて12の波長帯を観測できるため、土地利用の変化の検出、農作物の生育状態の把握、資源鉱物の検出などに利用できる。

 薄雲などの影響を軽減し、鮮明な画像に補正する「大気補正センサー」も搭載。異なる天候下で観測された複数の画像を比較できるようになるため、土地種類の識別や変化の検出がより容易になるとしている。

 両社は、WorldView-3衛星を含む衛星画像提供サービスについて、2016年までの累計で50億円の売上を目指す。

「WorldView-3」衛星画像のサンプル(40cmイメージ)

 価格は、31cm解像度パンクロマチック画像の場合で1平方キロメートルあたり5200円(税別)から、40cm解像度で3000円(税別)からとなっており、解像度、波長帯の数、新規撮影の有無で変動する。また、斜めからの撮影の場合、31cm解像度を活かせないため40cm解像度での提供となる。

 NTTデータの画像処理技術や「全世界デジタル3D地図提供サービス」、NTT空間情報の電子地図サービスなどの組み合わせにより、日本企業の海外進出時の地理空間情報のほか、地図作成、自然災害への対応、資源探査、森林や農地の管理などの利用を想定している。

(山川 晶之)