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VOCALOIDで故人の歌声を再現、元X JAPAN・hideの新曲リリースへ

 ユニバーサルミュージック合同会社は、1998年に他界したhideの新曲「子 ギャル」が完成したと発表した。ヤマハ株式会社の歌声合成技術「VOCALOID」を使ってhideのボーカルパートを制作した。12月10日発売予定のhide生誕50周年記念アルバム「子 ギャル」に収録される。

 ユニバーサルミュージックによると、この楽曲はもともと、1998年11月に発売されたアルバム「Ja,Zoo」に収録される予定だったが、その制作途中にhideが他界したために未収録・未発表となっていたもの。それを今回、これまでの楽曲からhideの歌声を抽出し、VOCALOIDで歌声を再現したという。

 VOCALOIDは、実際の人の声から音声素片と呼ばれる声の断片を抽出し、それらを接続して歌声を合成する技術。ヤマハでは以前より故人のボーカリストの歌声をVOCALOIDで再現する試みを行っており、2011年には植木等氏の歌声を再現している。

 ヤマハによると、今回、ユニバーサルミュージックからの依頼を受けて「子 ギャル」のボーカルパートの制作に協力したが、仮歌詞の段階で録音されたhideのラフなボーカル音声しか残っておらず、完成するのは難しいと考えられていたという。これに対してヤマハでは、hideが生前に残した膨大なボーカルデータを解析して、VOCALOIDでの歌声合成に必要な音声素片をサンプリング。さらに、生前のボーカルデータだけで補いきれない部分については、ヤマハの最新の声質変換技術を用いることで、hideの歌声を限りなく再現したボーカルパートを実現したとしている。

(永沢 茂)