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Googleが「reCAPTCHA」刷新、多くの場合で歪んだ文字の読み取りを不要に

 Googleは3日、サービスの不正利用を防ぐ「CAPTCHA」の新たな仕組みを発表した。多くの場合、アクセスしてきたユーザーが人間かロボットかを自動的に判定できるようになり、従来のように歪んだ文字を読み取って入力する必要はなくなったという。

 CAPTCHAは、歪ませた文字の解読など機械的な処理が難しい質問をすることで、機械アクセスによる大量アカウント取得などサービスの不正利用を防ぐ仕組み。Googleでは、2009年に買収したreCAPTCHAの技術を利用しており、Google以外にも数多くのウェブサービスがreCAPTCHAを利用している。

従来のreCAPTCHA

 今回導入された「No CAPTCHA reCAPTCHA」と呼ばれる新たな仕組みは、ユーザーが「I'm not a robot」というチェックボックスにチェックを付けるだけのシンプルなもの。多くの場合には、人間かロボットかを自動的に判定するが、どちらか判別が付かない場合には従来のCAPTCHAが表示されるという。

新しいreCAPTCHA。チェックボックスにチェックを付けるだけで自動判定される
判定できない場合は従来のCAPTCHAが表示される

 Googleでは、人工知能技術の進歩により、現在では歪ませた文字列の機械的な読み取りが99.8%の精度で可能となっており、信頼できるテストではなくなっていると説明。reCAPTCHAではユーザーの挙動などから人間かロボットかを判別し、人間と判断した場合にはより簡単な文字を提示する仕組みを2013年に導入しているが、今回さらにこの仕組みを発展させた。

 また、新しいAPIではモバイル向けの取り組みとして、猫や七面鳥といった複数の写真の中から同じものを選ばせるといった、モバイルデバイスで利用しやすい仕組みも導入した。

モバイル向けのCAPTCHA

 すでに、Snapchat、WordPress、Humble Bundleといったサービスが新しいreCAPTCHAのAPIを利用しており、WordPressでは60%以上、Humble Bundleでは80%以上のトラフィックが、チェックボックスにチェックするだけの操作で手続きを完了したという。

(三柳 英樹)