ニュース

もはや視覚のほんやくコンニャク、「Google 翻訳」アプリが「Word Lens」でパワーアップ

 米Googleは14日、「Google Translate(Google 翻訳)」のAndroid/iOSアプリのアップデートを開始した。スマートフォンのカメラを通して見た光景が別の言語で見える“仮想現実翻訳”機能などを追加する。今後、数日中に適用される予定だ。

 同アプリのAndroid版ですでに搭載していたカメラモードと会話モードをそれぞれパワーアップするとともに、それらの先進機能を初めてiOS版アプリにも搭載した。

 従来のカメラモードでは、スマートフォンのカメラで撮影した画像からテキスト情報を抽出して翻訳する機能(36言語に対応)を提供していたが、これをさらに進化させた。例えば、目の前にある道路の方面案内看板などのテキスト情報にカメラを向けると、これを即座に認識・翻訳。スマートフォンの画面上で元の看板のテキスト部分に重ね合わせて表示することで、あたかも別の言語の看板がそこにあるかのように表示するというものだ。

“仮想現実翻訳”機能のイメージ(Google Translate公式ブログより)

 オフラインでも動作するとしており、まずは英語とフランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語との間の翻訳に対応。さらに対応言語を拡大していくという。

 Googleは昨年5月、仮想現実翻訳アプリ「Word Lens Translator」の開発元である米Quest Visualを買収していた。Google Translateの今回の新機能は、このWord Lensの技術によるものだ。

 このほか、会話モードによるリアルタイム音声翻訳機能も改良。相互に翻訳する2つの言語のうち、どちらの言語が話されているのかをアプリが自動的に認識してもう一方の言語に翻訳するようになり、音声入力時の手動操作の手間が軽減。翻訳を介した会話がスムーズに行えるようになったという。

会話モードでのリアルタイム音声翻訳の流れ

(永沢 茂)