「資金決済法」が成立、銀行以外でも送金サービスが可能に


 銀行以外の事業者にも資金移動サービスを認める「資金決済に関する法律(資金決済法)」が17日、参議院本会議で可決・成立した。法律は公布日から1年以内に施行するとしている。

 資金決済法は、現在は銀行のみに認められている送金などの為替取引について、資金移動業者として登録を行うことで、銀行以外の事業者でも少額の取引に限り為替取引を認めるもの。これにより、米PayPalのような資金移動サービスが日本でも展開できるようになる。取引額の上限については今後政令で定めるとしており、国会審議では上限は50万円から100万円程度とするのが妥当だとする見解が示されている。

 また、商品券やプリペイドカードなどについての規制を定めた「前払式証票の規制等に関する法律」を資金決済法に統合。「WebMoney」のようなサーバー型の前払い式電子マネーについても法の対象にするとともに、事業廃止時に利用者への払い戻しを義務付けるなどの規定を設けた。

 資金決済法については、金融庁の金融審議会金融分科会第二部会および決済に関するワーキンググループで議論が行われた。会合では、宅配便業者の代金引換サービスや、コンビニの収納代行サービス、ポイントサービスなどについても法の対象とすべきかについて議論されたが、事業者からは反対意見が多く挙がり、報告書には賛成・反対の両論が併記された。今回の資金決済法では、こうした代引サービスや収納代行サービスは対象とされていないが、報告書では利用者保護に欠ける事態や資金決済システムの安全性が損なわれる事態が生じることが無いよう、引き続き注視していくことが必要だとしている。


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(三柳 英樹)

2009/6/17 16:32