米YouTube、市民記者の養成チャンネルを開設


「YouTube Reporters' Center」チャンネル

 米YouTubeは29日、ニュース報道を行うためのノウハウを集めた「YouTube Reporters' Center」チャンネルを開設したと発表した。インタビューを準備する方法や事実確認の手法、ジャーナリストが関係する倫理上の問題など、報道に関わる様々なノウハウを動画で学ぶことができる。

 「YouTube Reporters' Center」には、多くのジャーナリストや報道機関が協力している。例えば、ウォーターゲート事件報道で知られる世界的に著名なジャーナリストで、The Washington Post紙所属のBob Woodward氏は、調査報道を行うための方法について講義している。また、CBS Evening NewsのKatie Couric氏は、良いインタビューを行うための方法を講義している。いずれも5分程度の短い動画で、気軽に見ることができる。そのほかにもAssociated Press、Reuters、The New York Times、Newsweek、Al-Jazeeraなど、多くの報道機関が参加している。

 一般市民による報道は、最近ではイラン改革派による抗議行動で特に大きな注目を集めている。イランでは政府が外国人ジャーナリストを退去させたため、一般市民がインターネットにアップロードした情報によって、イランで起こっている出来事を世界中が知るという特異な状況が続いている。また、中国瀋陽大地震の際にも、被害状況に関する動画が数多くアップロードされ、注目を集めた。

 YouTubeのニュース・政治部門長であるSteve Grove氏は「現在進行形の出来事がはっきりと示されていく中で、YouTubeにおける市民報道は、今日のメディアの状況の中の必要不可欠な部分となっている。YouTube Reporters' Centerは、プロと、これら注目すべき向上心あふれる記者たちとの間に建設的な関係を築くのを助け、促進するだろう」とコメントしている。


関連情報


(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/6/30 12:01