EU、情報通信技術の標準を21世紀型に改訂へ


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は3日、情報通信技術(ICT)の標準化について今後の展望を発表した。

 現在EUが制定しているICTの標準は、20世紀に規定されたものが基礎となっており、インターネット技術やモバイル通信技術の最近の発展とそれに伴うデファクトスタンダードの出現など、いわゆる21世紀型の標準化技術を考慮していない。その一方で、世界的規模で事業を展開する企業が出現し、その技術がデファクトスタンダードになるなど、急激な変化に対応する必要があるが、そのような対応が後手に回っており、種々の場面で不都合が生じているという。

 そこでEUはこのほど、21世紀型技術に対応するため、ICT標準を改訂することとした。これにより、衛生保健政策、安全保障、ビジネス、行政、輸送など、近年ICTを取り入れた分野なども巻き込んだ総合的な調整を行う。特に、これらの分野の相互作用により個人情報の保護のあり方が問題となっており、重要視されている。

 今回の標準の改訂について企業・産業担当バイスプレジデントのGuenter Verheugen氏は、過去15年の革新技術に関する標準の調整を行うことによって、今後もその革新および市場の成長に多大に寄与することになると指摘。標準化が競争力を下支えするだろうとの見解を示した。


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(Gana Hiyoshi)

2009/7/6 12:43