ヤフー、クリエイティブアワード2009のプレイベントを開催


 ヤフーは、Webクリエイター向けの無料セミナー「Yahoo! JAPAN × ロクナナワークショップ クリエイティブカレッジ」を東京・渋谷で10日に開催した。「Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード2009」のプレイベントとして企画されたもので、クリエイター養成講座などを展開する株式会社ロクナナと共同で実施した。

Web APIやFlashなど4つのセッション

 今回は、アワードの審査員を務めるクリエイターや、セミナー「ロクナナワークショップ」の講師陣を迎え、「マッシュアップ」「アニメーション」「コミュニケーションコンテンツ」「インスピレーション」といった4つのセッション(各1時間)を行った。

 「マッシュアップ」セッションでは、「Web APIを使ってテキストデータを魅せる!」と題し、Yahoo! JAPAN研究所の山下達雄氏が、Web APIを利用してテキストデータからタグクラウドや地域情報の抽出、テキストの中の重要なキーワードを抽出する方法などを紹介した。

 「アニメーション」セッションでは、「書籍には掲載できないWebアニメテクニック」と題し、面白法人カヤックのFlashアニメーター嶋田俊宏氏がプロのWebアニメーションテクニックを紹介。Flashのトゥイーン機能を使った制作方法として、動きや演出、作業効率の向上を中心に解説した。

 「コミュニケーションコンテンツ」セッションでは、「みんなの携帯で大型ビジョンをリアルタイム共有!」と題し、株式会社バスキュールのディレクター馬場鑑平氏がPCと携帯電話を連動させたリアルタイムコミュニケーションコンテンツを紹介。複数人が携帯電話でクイズに参加できるサービスを披露し、その開発エピソードなども話した。

イベント会場の渋谷シアターTSUTAYAイベントの様子。各セッションともに定員は80人で、ほぼ満席

アワード審査員が教える高評価のツボ

 最後の「インスピレーション」セッションでは、「クリエイティブアワードを獲れる5つ(くらい)の方法」と題し、博報堂アイ・スタジオのクリエイティブディレクター佐野勝彦氏と、電通のテクニカルディレクター中村洋基氏が、アワードで受賞するためのポイントを実際のクライアントワークや未発表コンテンツを交えて解説した。佐野氏と中村氏は、アワードの審査員も務めている。

 今回は、アワードの「一般の部」における制作ヒントを紹介。予算や時間、人手が足りないときの制作においては、「元からある素材や外部のリソースを活用すること」などが有効だと説明した。また、佐野氏と中村氏が自ら応募するとしたら、どのような作品にするのかを例に挙げて解説。佐野氏は、「日々の疑問でビジュアル化できるものをメモし、作品テーマに使う」としたほか、中村氏は、「クリエイターとしての『あるある系』を突くと、審査員の高評価を得られるかもしれない」と話した。

 質疑応答コーナーでは、セミナー参加者からクリエイターならではの質問がされていた。作品中の著作権への配慮については、「クレームがあったとき、システム上すぐに対処できるようにしておくこと」「クライアントが訴えられたとき、裁判で勝てるように法務で確認を取っておくこと」を説明。また、アイディアを出す方法については、「作りたいテーマがあったら、それに関する知識を出来るだけ多く集めておくこと」「自分で作る技術(スキル)を持ってることは、発想する上でも重要」などと話した。

 「Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード2009」の作品募集期間は、8月1日から8月17日まで。 一般からの応募作品を対象にした「一般の部」と、企業のプロモーションで制作された作品を対象にした「企業の部」があり、それぞれに「バナー部門」と「ウェブコンテンツ部門」を設けている。特別賞として、Web APIなどを利用した作品が対象の「Creative Hack賞」、マイクロソフトのSilverlightを使用した作品が対象の「Silverlight賞」なども設置。9月に行なわれるノミネート審査(審査員によるオンライン審査)と、10月中旬の最終審査会を経て、11月に開催する贈賞式で各部門の受賞作品を発表する。

博報堂アイ・スタジオの佐野勝彦氏電通の中村洋基氏

中村氏が手がけたホンダのカーナビのプロモーションサイト中村氏の作品。必要項目に記入するだけでティザーサイトを作るサービス

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(野津 誠)

2009/7/13 12:05