高さ4メートルの「Google マップ」巨大ピン、築地本願寺に出現


駅構内に設置するピンと、築地本願寺に設置する巨大ピン。その前に立つのは、築地本願寺の平井祐善氏(左)と建築家の平田晃久氏(右)

 グーグルは3日、著名人がお気に入りの場所を「Google マップ」で公開する企画「わたしの好きな場所」のリアルプロモーションを開始した。巨大マップピンのオブジェを設置する東京の築地本願寺(東京都中央区)で記者発表会を行った。

 「わたしの好きな場所」では、「Google マップ」の「マイマップ」機能を利用し、世界13都市について、アーティストやフォトグラファーなど200人の著名人が、自身のお気に入りの場所を紹介する。日本では、東京と京都を22人の著名人が紹介する。

 リアルプロモーションでは、3日から10日まで、都内の駅構内(池袋、新宿、渋谷、恵比寿、秋葉原)で、「Google マップ」上でスポットを指し示すピン型アイコンと同型のオブジェを設置する。オブジェの中心にある穴を覗くと、中には小型モニターが設置してあり、今回の企画を紹介するVTRを視聴できる。また、築地本願寺には高さ4メートルのピンを設置。さらに、京都ではピンのマーク入りの提灯を50個所に設置する。

ピンの先に広がる世界も知ってもらいたい

京都に設置する提灯を持つグーグルの根来氏

 グーグルの根来香里マーケティングマネージャーは、「わたしの好きな場所」の概要を説明した上で、「Google マップでは、検索すると地図上にピンが立ち、同時にその場所に関係したマイマップも表示する。ピンは目的の場所や終着点というだけではなく、ピンの先に広がる世界(情報)も知ってもらいたい」と話した。

 グーグルで地図製品を統括する河合敬一プロダクトマネージャーは、「インターネットの地図は、時間や場所、現実、仮想を超えて人と場所をつなぐための道具。Google マップの仕事で面白いのは、ネットだが一番リアルに近い製品であり、ユーザーの場所を伝えたい思いがわかるところ」だと語る。今回の企画については、「ピンが現実世界に立っていることで、ネットと現実の接点となる仕掛けができた」とした。

 また、Google マップを公開した当初から現在までに、対応する地域が徐々に拡大していく様子を図で紹介した。「世界中の場所や地域情報を検索できるようにしたいと思ったが、Googleだけではカバーしきれない。ユーザーに教えてもらうしかないと考え、さまざまなツールを開発した」と説明。「さまざまな事情により地図の無い地域もある。地図を作成するツール『Google マップ メーカー』を提供することで、当該地域に住むユーザーとともに地図を増やしていった」。

 築地本願寺の参勤である平井祐善氏は、「多くの神社仏閣の中から、築地本願寺を選んでいただいて大変嬉しい。ここはとても変わった建物だが、それだけではなく仏教の道場であるとこを知ってほしい。検索して終わるのではなく、実際に来て入ってみてほしい」と述べた。

 築地本願寺を「わたしの好きな場所」として紹介した建築家の平田晃久氏は、「見た目のインパクトだけではなく、建築としての本質があると思う」と話す。「築地本願寺を設計した伊東忠太氏は、建築の根本的な概念を考え始めた人であり、日本の建築史を始めた人。100年後に見ても、訴えかけるものがあると思う」と話した。

築地本願寺本堂の横に巨大ピン

ピンのオブジェにある穴を覗いてみたところ穴の中で流れている映像。YouTubeでも視聴できる

 


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(野津 誠)

2009/8/3 16:47