ドイツの総選挙、ネット投票で投票率6ポイント上昇との推計結果


 ドイツでは9月27日に総選挙があったが、独IT業界団体のBITKOMは、仮にインターネットを介した投票制度を採用していた場合、実際には71%だった投票率は77%にまで上昇していたとする調査結果を発表した。

 ドイツでも国民の選挙離れの傾向が見られ、9月27日に行われた総選挙の投票率は史上最低の71.2%だったという。政府もあの手この手で投票率改善の施策を講じていたが、今回は奏功しなかった。

 今回の調査は2000人の有権者を対象に行ったもので、このうち投票を棄権した層について、もしインターネットでの投票が可能であれば投票していたかとの質問について、肯定的回答をした人が21%いたという。統計処理をすると、6ポイントの投票率アップに相当するとしている。

 「ネット効果」が高いのは若年層だという。ドイツで有権者は18歳以上だが、18~29歳の棄権した層の25%が、ネット投票導入により投票したであろうと回答した。この傾向は59歳以上の層では11%にとどまっていることから、若年層では棄権したくてしているのではなく、投票の方法がネックとなって棄権している有権者がかなり存在するとの傾向が明らかになったかたちだ。

 ドイツでは郵送による投票が認められており、前回の総選挙が実施された2005年には全体の19%にあたる900万票が郵送によるものだった。ただし、郵送による投票は選挙違反が発生しやすく、制御もできない。インターネットでの投票では、セキュリティの精度が高まっており、郵送投票に代えて導入すべきとの意見もあるようだ。


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(Gana Hiyoshi)

2009/10/5 12:23