EU、英当局による固定電話の接続料金適正化に介入


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は16日、英国の通信規制当局であるOfcomに対して、固定電話回線への接続料金(FTR)をすべての通信事業者に対して差別なく適正な価格で提供するような規制を行うべきであるとして、実質的に介入する措置をとることを明らかにした。

 固定回線への接続料金を差別なく事業者に提供することは、公正な自由競争を担保するための最低限の条件であり、欧州委員会の接続料金に関する推奨(IP/09/710)でも規定されており、場合によっては欧州委員会が勧告を出したり是正措置をすることになっている。規定では、中小の固定電話事業者も接続料金を法外な価格で設定することを禁止している。中小の事業者といえども最終的には消費者が負担することとなってしまうからだ。

 現在Ofcomは、旧国営のブリティッシュテレコム(BT)およびキングストンコミュニケーション(KCOM)以外の中小事業者の接続料金の規制を行っていない。また、差別なく適用するための規制も行っておらず、行う予定もない。英国では、従前の事業者へのアクセスを保障することと料金を公表することまでしか義務化されておらず、表向き従来のBTの料金に基づく設定をしても、いわゆる互恵協約などで実際の料金は異なることも多くあるという。

 そこで今回、欧州委員会は、Ofcomに対して警告状を送付するとともに、コストについて効率よい方式で接続料金の適正化が図られるよう規制することを義務付けた。また、Ofcom側は改善策を欧州委員会に回答することも義務付けられた。


関連情報

(Gana Hiyoshi)

2009/10/19 16:23