エキサイトのポータルサイト、MacとWomanを含む3トップ体制へ


エキサイトの野田俊介代表取締役社長

 エキサイトは9日、決算説明会を開催し、野田俊介代表取締役社長が今後の事業方針について説明。ポータルサイトを12月より3トップ体制にすることなどを明らかにした。

 2009年度第2四半期(2009年4~9月累計)の連結決算は、売上高が56億4900万円、営業損失が1億5000万円、経常損失が1億8000万円、当期純損失が2億3800万円。売上高の構成比は、広告や検索連動型広告などを含む「メディア事業」が26%、コミュニティサービスやオンラインゲーム、音楽コンテンツ配信、インターネット接続サービスなどを含む「エンタテインメント事業」が73%など。

 「メディア事業」におけるディスプレイ広告の売上が期初の想定よりも落ち込んだほか、「エンタテインメント事業」では今期からオンランゲームの課金代行タイトルの取り扱いを止めた影響などで、売上高は前年同期比14.8%の減少となった。一方で、経費削減に取り組んだ結果、営業損失は前年同期の3億2500万円から改善した。

 エキサイトは2008年度を「選択と集中」および「原点回帰」の期間と位置付け、事業の整理による組織の立て直しを進めてきた。これに対して「2009年度は攻めに転じたい」(野田社長)という。上期を「種まき」の期間と位置付け、積極的に新サービスや広告の新商品の開発を行っており、さらに下期の「収穫」の期間において収益化を狙う。これにより、通期の黒字化を達成するとともに、2010年以降の布石を整える。

 今期に開発・提供する新サービスとしては、例えば、オンラインゲームの新タイトルがある。オランダ発の「スペルボーン」が現在クローズドベータテスト中で、12月中旬に正式オープン予定。プレイ料金は無料で、アイテム課金制となる。なお、11月6日時点で登録会員が7万5000人を突破したという。

 新たな広告商品としては、10月より営業活動を開始した「エモーショナルターゲット広告」がある。これは、天候などの状況に応じた広告を表示する仕組み。例えば、気温が25度を超えたらビールの広告を、雨が降ったら宅配ピザ店の広告を、花粉の飛散量が増えたら空気清浄機の広告を表示するといったものだ。


ポータルサイトの3トップページ戦略

 さらに野田社長は、ポータル事業を再編し、3つのトップページ体制に移行する計画も示した。11月にデザインをリニューアルした通常の「excite」のほか、すでに公開中のMacユーザー向け「homepage.excite」に加え、12月には「Woman.excite」を女性ユーザー向けポータルサイトのトップページとして位置付け、全面リニューアルする。この3トップ体制によりユーザーのターゲットを明確化し、広告メディアとしての価値を最大化したい考えだ。なお、野田社長によると、「homepage.excite」はあまり認知されていないとしながらも、1日に50万PV、1週間に15万人が訪問しているという。

 「Woman.excite」については携帯向けサービスも強化するとともに、PC向け・携帯向けに共通で出稿できる広告パッケージも展開する。

 2009年度通期の業績予想は、売上高が130億円、営業利益が1億5000万円、経常利益が1億4000万円、当期純利益が5000万円。


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(永沢 茂)

2009/11/9 20:28