「Bing Maps」ベータ版公開、建物の中までシームレスに


 米Microsoftは2日、Silverlightを使った地図検索サイト「Bing Maps」のベータ版を公開した。利用には、Silverlight 3のインストールが必要。

 「Bing Maps」ベータ版では、空と地上からの画像体験を大きく改良するとともに、ユーザーインターフェイスにSilverlight 3を採用し、小さな工夫を組み合わせて利便性を高めた。宇宙レベルから地上レベルまでシームレスに到達できるようになった。


「Bing Maps」ベータ版

 3年前に公開された地上レベルの画像は、「Streetside」という名称で大幅に改良された。撮影した写真を連続的につなぎ合わせており、あたかもその場で風景を見まわしたかのように360度回転して見ることができる。

 「Streetside」表示でも道に迷わないように、通りの名称や方向案内が浮かび上がって表示される。また、画面下部に表示される操作パネルによって、自由に方向を変えることも可能だ。

 航空写真も大きく改良された。航空写真が多数用意されている都市部では、衛星写真と航空写真のデータを組み合わせることにより、複数の方向から地上を3Dで眺められるようになった。また、写真の少ない地域でも、衛星画像と組み合わせることにより、立体的な地形を表示できる。


斜め視点の航空写真「Bird's eye」ビュー地上レベルの「Streetside」表示

 さらに今回、「Photosynth」が「Bing Maps」と統合された。

 「Photosynth」は、ユーザーが撮影した写真をつなぎ合わせることにより、立体的な風景を見られるようにする技術だ。これを統合したことにより、宇宙レベルから建物の前までズームしていった後、建物によっては、その中にまで入り込むことさえできるようになった。博物館などの場合、ユーザーが撮影した多数の写真が存在しており、それらを組み合わせることで建物の内部を再現する仕組みだ。

 なお、これが可能なのは、「Photosynth」に登録されている画像にジオタグが設定されていることが前提となる。

 また、「Bing Maps」を利用したアプリケーションを一覧表示するギャラリーも用意された。これは、左欄下部の右矢印アイコンをクリックすることで表示できる。「Bing Maps」プラットフォームを利用したこれまでのマッシュアップとは異なり、「Bing Maps」の上で利用できるさまざまなアプリケーションだけを集めた場所という位置付けだ。

 例えば、ローカルレンズアプリケーションを使うと、表示している地域と関係する各種コンテンツを地図上に表示できる。また、Twitterマップアプリケーションを利用すると、TwitterのジオロケーションAPIを利用することで、地図上にTwitterのつぶやきを表示できる。


アプリケーションギャラリーTwitterマップアプリケーション

 このほかにも、地図画面下部のナビゲーションが改良され、ズームの段階を国、州、町、道路ラベルなど簡単に選択できるようになった。また、天気情報が左側に自動的に表示されるなど、Bingの他のサービスとの連携も強化している。

 なお、現時点で「Bing Maps」ベータ版の多くの画像は米国に集中しており、特に地上レベルの画像は、米国内でも限られた地域で提供されているだけだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/12/3 15:39