Googleが「EtherPad」を買収、オープンソースに


EtherPad

 共同編集テキストエディタ「EtherPad」を開発している米AppJetは4日、同社がGoogleに買収されたことを発表した。買収金額などの詳細は明らかにしていない。また、AppJet Frameworkとその上で動作するEtherPadはオープンソース化されることになった。これにより、「リアルタイムコラボレーションテクノロジーのより広範な発展に寄与したい」としている。

 EtherPadは、リアルタイムに複数のユーザーが同時にテキストを編集できるエディタWebアプリケーションサービスを提供している。発表によると、EtherPadの開発チームは、Google Waveの開発チームに合流するとしている。

 EtherPadはすでに新規利用者の受け付けを中止している。既存利用者は2010年3月31日まで利用できるが、それ以降はアクセスできなくなるため、注意が必要だ。有料のプロフェッショナルエディションの利用者は、書き込んだ内容、いわゆる“Pad”をZIPアーカイブとしてエクスポートできる。

 新規のPad作成については、買収直後は「できない」としていたが、その後、12月5日になって復活させた。EtherPadがオープンソース化されるまでは、サービスの中断は「ないか、あるいは最小限にとどまる」ようにすると説明している。

 なお、EtherPad利用者として登録していたユーザーに対しては、数週間のうちにGoogle Waveプレビュー版をテストできるように招待状を送付する。AppJet CEOのAaron Iba氏は「Google WaveはEtherPadほど円熟しているわけではない」と評価しており、より優れた代替サービスを早期に提供する意味があると思われる。

 AppJetは、MITの卒業生らによって設立されたベンチャーで、有名なベンチャーインキュベータ組織YCombinatorから巣立ったプロジェクトのうちの1つだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/12/7 11:33