Appleが「iPhone 4S」発表、日本を含む7カ国で10月14日発売

8メガピクセルカメラ、フルHD動画撮影も


 米Appleは4日、iPhoneの新モデルとなる「iPhone 4S」を発表した。日本、米国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国で10月7日に予約を開始し、10月14日に発売する。10月末には、そのほかの欧州各国やメキシコ、シンガポールなど世界22カ国でも発売する。

 米国での予定小売価格は16GBモデルが199ドル、32GBモデルが299ドル、64GBモデルが399ドル。なお、新モデルの投入を受け、現行モデルの「iPhone 4」は99ドルで、「iPhone 3GS」は2年契約のもとで無料で利用できるようになるとしている。

iPhone 4S

 iPhone 4SはデュアルコアA5チップ、8メガピクセルカメラと画像処理プロセッサー、iOS 5、iCloudを搭載する。重さは140gでiPhone 4より3g重く、サイズは115.2×58.6×9.3でほぼ同じ。ブラックとホワイトの2つのバージョンが提供される。

 注目されるのは、8メガピクセル内蔵カメラだ。iPhoneは携帯電話やスマートフォンの枠組みを超え、デジカメ全体の中でも最も利用されているデジカメとなっているほどで、そのカメラ機能はきわめて重要だ。

 この8メガピクセルカメラには裏面照射型センサーと新しいカスタムレンズが搭載され、F値が2.4で開口部は大きくなり、より多くの光を取り込むことができる。さらにハイブリッドIRフィルターが搭載されている。こうした改善の結果、これまでより鮮明で明るくシャープな画像を撮影できる。さらに、iPhone 4Sに搭載されているプロセッサーにはAppleの設計による画像信号処理プロセッサーも搭載されているため、ハードウェアの支援によりカメラアプリの起動が高速になったほか、撮影可能間隔も2倍高速になったとしている。

 iPhone 4Sで搭載されるiOS 5には、写真に関するさまざまな新機能が搭載されている。例えば、ロックスクリーンボタンをシャッターボタンとして利用できるほか、グリッドラインを表示して構図を決めたり、タップによるオートフォーカス、Twitterとの統合によりフォトアプリから直接Twitterに投稿したり、iMessageにてグループで写真を共有することができる。また、iCloudの「PhotoStream」サービスで、どの端末からも撮影したての写真共有が可能だ。iPhone用OSの新しいハードウェアと、これら新しいソフトウェア機能の組み合わせによって、カメラとしての機能が大幅に強化されたことになる。

 動画撮影機能も強化され、毎秒30フレーム、1080pのHD画質ビデオを録画できるようになった。手ぶれ補正機能も搭載された。

 プロセッサーとして搭載されるApple製のデュアルコアA5チップでは、処理能力はiPhone 4の2倍、グラフィックス処理機能は7倍高速になったとしている。


 バッテリー持続時間は、通話時間が最大8時間、連続待受は最大200時間、インターネット利用は3G回線で最大6時間、Wi-Fiで最大9時間、ビデオ再生が最大10時間、オーディオ再生は最大40時間となっている。

 さらにアンテナが改良された。iPhone 4Sは2つのアンテナを送受信に合わせてインテリジェントに切り替える「初めての携帯電話」だとしている。HSDPAで最大14.4Mbps、ワールドフォンであるためほぼ世界中で使用可能という。

 注目すべき新機能として、音声認識によるインテリジェントアシスタント機能「Siri」が搭載された。残念ながらこの機能は、英語、フランス語、ドイツ語のみの提供。なお、英語版は米国、英国、オーストラリア向けにそれぞれローカライズされている。

 Siriは、自然な文体で話すと、ユーザーがしたいことを支援してくれるという。例えば「今週末に傘は必要?」と質問すると、Siriは天気予報のことを聞いているのだと理解できる。また、「家に着いたら母さんに電話することをリマインダーにしてくれ」と話すと、「母さん」をアドレス帳から見つけ出すといった支援も行ってくれる。Siriが支援できる内容としては、通話、テキストメッセージ、メール送信、スケジュール、リマインダー、ノート、インターネット検索、ローカル検索、ナビゲーションなど、さまざまな機能が提供されるとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/10/5 11:00