富士通、IPv6への円滑な移行を支援するデータセンター向けソリューション


 富士通株式会社は12日、IPv4からIPv6のネットワークへの円滑な移行を行える「SA46T/SA46T-ASデータセンターソリューション」技術を開発したと発表した。

 データセンターでは、一般にVLAN技術を用いて、IPv4アドレスを使用した顧客システムのアドレスが干渉しないように論理的に分離した上で収容しているが、現在のVLAN技術では、最大で4000のIPv4ネットワークにしか対応できないので、1顧客企業あたり4VLANを使用すると仮定した場合、せいぜい約1000社の顧客しか収容できず、これが課題となっていた。また、IPv4アドレスが枯渇した場合には、IPv4で運用するサービスの拡張が不可能になるため、その対策も求められていたという。

 「SA46T/SA46T-ASデータセンターソリューション」は、こうした課題を解決するためのソリューションで、IPv6ネットワーク上でIPv4の通信を可能にする「SA46T」と、1つのIPv4アドレスを複数のサーバーで共有できる「SA46T-AS」の両技術をベースにする。

 まず「SA46T」により、IPv6ネットワーク上で収容できるIPv4ネットワークの数を約43億個まで増やせるため、事実上、上限を意識することなく、ユーザー企業のシステムをデータセンターで収容できるという。

 また「SA46T-AS」を利用すれば、1つのIPv4アドレスを約6万5000個で共有可能。同数の物理サーバーまたは仮想サーバーでの共有を実現しているので、IPv4アドレスが枯渇しても、既存のIPv4ベースでのサービス運用を維持した上で、将来にわたるサーバーの増設に対応。これによって、サーバーのIPv6対応を段階的に進められるとした。

 なおこの技術は、6月13日から15日まで千葉県の幕張メッセで展示会が開催される「Interop Tokyo 2012」にて実証デモが行われる。また富士通では、現在IETFにて標準化提案を行っているとのことだ。


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(石井 一志)

2012/6/12 17:23