Windows 8で黒くなった「Yahoo! JAPAN」


 Windows 8が10月に一般発売されたのを受け、ヤフー株式会社は、「Yahoo! JAPAN」トップページと「Yahoo!オークション」の公式Window 8アプリの提供を開始した。Windows 8スタイルのUI(Modern UI)によるタッチ操作に対応したもので、いずれも「Windows ストア」から無料でダウンロードできる。

「Yahoo! JAPAN」アプリ

 Yahoo! JAPANトップページのアプリは、最上部に検索窓を設け、その下の中央に「トピックス」および「映像トピックス」を大きく配置した。左端にはメールの新着件数とカレンダーの予定件数、設定した地域の天気、Twittrerでの話題のキーワードがわかる「話題なう」も表示する。このトップ画面を右にスクロールすれば、Yahoo! JAPANのそのほかのサービスのアイコンが一覧表示される。

 トピックスおよび映像トピックスは、個々のトピックスごとに大きなタイル状のボタンで表示され、それらをタップすることで詳細ページに移動する。トピックス一覧画面でも各トピックスがタイルで表示され、横スクロールしていくことでジャンルごとの最新の一覧を表示していける。

トピックス一覧画面

 Yahoo! JAPANのPC向けサービスはウェブブラウザー版を基本としているが、当然ながらウェブブラウザーを起動してからアクセスする必要があるとして、その操作を経ることなくWindows 8のスタート画面から直感的なタッチ操作で利用できるようにする意図でアプリを用意した。アプリごとに機能を絞り、メイン機能/コンテンツを大きく見せるというWindows 8アプリの方向性は重視しつつ、単機能にこだわらず、ポータルサイトとしてのYahoo! JAPANとして違和感なく利用できるように機能を盛り込んだ。

 なお、現時点ではトピックスの各記事など、第2階層以降はウェブブラウザー版のページが表示される仕組みだ。今後、アプリに最適化した表示を作り込むことを検討するほか、各サービスごとのアプリがリリースされた場合はアプリ間での連携も行う予定。さらに、デスクトップPCで使うウェブブラウザー版と比べ、アプリ版はよりパーソナルな利用が想定されるとし、Facebookとの連携も実装したい考えだ。

「Yahoo!オークション」アプリ

 Yahoo!オークションのアプリは、サービスごとに提供するアプリの第1弾となる。ウェブブラウザー版では体験できない“サクサクした操作感”でオークションを利用できるのが特徴という。トップ画面では、各カテゴリーのイメージ写真がタイルで表示され、横スクロールしていくことで各カテゴリーの出品件数とともに見ていくことができる。

 それぞれの最下層カテゴリーの画面では、出品されている商品が大きな写真とともにタイルで一覧表示されており、ページを切り替えることなく、横スクロールでどんどんチェックしていくことができる。気になった商品は、タイルをタッチすることで詳細を確認可能だ。

 商品ごとの画面では、写真や現在価格、残り期間などの主な項目がアプリ内で表示され、詳細な説明などは右側からせり出すウィンドウ内で、ウェブブラウザー版のページが表示される仕組み。また、画面左側には、同カテゴリーの商品一覧が縦スクロールで表示されるようになっており、別の商品を参照しやすいようにした。入札操作もアプリ上から行える。

 なお、同アプリには「ウォッチリスト」「入札中」「落札分」などのメニューがあり、ユーザーのマイ・オークションを登録しておいてチェックすることが可能。Windows 8のスタート画面のライブタイルにも最新情報を表示できる。ただし、現在はアプリから行えるのは商品検索、入札、落札といった機能となっており、出品操作はウェブブラウザー版から行う必要がある。今後、出品者側の機能も追加していく予定だ。

カテゴリー商品一覧画面
商品画面

 2つのアプリの特徴として、黒を基調としたユーザーインターフェイスを採用した点が挙げられる。画面の地色を黒とし、タイルはグレー(オークションではオレンジ色)、文字は白抜きといった色合いで統一されている。Yahoo! JAPANのロゴさえ、おなじみの赤ではなく、白抜きとなっており、ウェブブラウザー版のイメージとは全く別の印象を受ける。

 黒くしたのは、ヤフーがこれまでiPhone/iPadアプリを開発してきた経験から、画面内とデバイスとの一体感を重要視したためだという。特にWindows 8では、画面の外側から内側に向けてスワイプするジェスチャーが使われると同時に、Windows 8デバイス自体が黒やグレーの製品が多いことからアプリも黒を基調とすることにした。

 また、トピックスやオークションをはじめ、タイルに写真を多用する点も考慮し、そのコンテンツが際立つこと、また、Windows 8アプリに求められる“没入感”を実現するためにも黒が効果的だと判断した。ヤフーの宮坂学代表取締役社長が掲げている“ワイルド”というキャッチフレーズとも、黒はイメージが合うという判断もあった模様だ。

 なお、Windows 8であっても、従来の白基調のウェブブラウザー版も利用することが可能だ。

Yahoo! JAPANのWindows 8アプリでは、おなじみの赤いロゴは、Windows 8のスタート画面のタイルに表示されるのみ

 ヤフーでは現在、“スマホファースト”を掲げ、スマートフォン/タブレット対応サービス/アプリの強化を進めている。Windows 8もそれらスマートデバイスに近いものと位置付けており、今後、同社の技術を結集してWindows 8対応のタッチアプリを提供していくスタンスだ。続いて動画サービス「GyaO!」のアプリを準備しているほか、「Yahoo!ロコ 」「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!トピックス」「Yahoo!ファイナンス」なども検討中だとしている。


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(永沢 茂)

2012/11/15 12:00