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「ネットを通して気持ちを贈る」サイトが新規オープン

~ギフトポータル「e-select」に聞く~

e-select
http://www.e-select.st/

 インターネットには数多くのオンライン通販サイトが存在するが、大切な人に贈りたいと思えるような商品を見つけ出すのは難しい。そんな悩みを持つ人にオススメなのが、この秋オープンした「e-select」である。

 ギフト商品に特化したショッピングモール「e-select」の特徴は、代官山や自由が丘のセレクトショップを初めとした、こだわりのアイテムを扱う店が揃っている点だ。ありきたりの商品が並ぶ従来のショッピングサイトとは一線を画す、「e-select」ならではの魅力とは一体何なのか。株式会社リンク「e-select」デスクの星 邦彦氏とアートディレクターの松尾幸子氏にお話を伺った(以下、文中敬称略)。



e-select が他のショッピングサイトと違う点は?
「もっと気軽に、気のきいたものを気になる人にプレゼントできたら」と語る株式会社リンク e-selectデスクの星 邦彦氏。e-select全体のディレクションを担当する

星:日本人はクリスマスやバレンタインなど、イベントのときにしかモノを贈る習慣が無いですよね。もっとフランクに、気になる商品を気になる人にプレゼントできたら良いんじゃないか、と思って作ったのが「e-select」です。気軽に贈り物を選んでいただきたいから、扱っている商品も高価なものではなく、手頃な値段のものを集めました。

 そういうちょっとしたギフト商品を専門に扱うショッピングモールというのは、今までなかったんですね。街に出てプレゼントを選ぶ時間もなかなかないし、限られた地域や店舗でしか手に入らないものもある。リアル店舗で買い物するには営業時間も気にしなくてはいけないし、いろいろな制限があります。気持ちはあっても、そうした制限から、ついつい贈りそこねてしまうことも多いと思います。そういう「距離」と「時間」をカバーするための“ギフトポータル”を目指していきたいですね。



コンセプトを思い付いたきっかけは?
株式会社リンクがエーティー・ワークスと共同で提供する「AT-LINK専用サーバ・サービス」。顧客ごとに専用サーバー機を立てるレンタルサーバーサービスで、4,800を超えるユーザーを擁する

星:我々はこれまで、AT-LINK専用サーバ・サービスというホスティングサービスを8年やってきました。数多くのECサイト構築もお手伝いしてきた中で、我々も販売事業者としてマーケットに参加したいな、と思ったのが最初ですね。そこで「さあどこから入るか」といろいろ検討したところ、このようなサイトを思い付いたわけです。

 Webで人気を集めているサイトを見ると、やはりリアル店舗でもそこそこ収益が出ている店が多いんですよね。一方で、女性誌やタウン誌などでフィーチャーされるのは、代官山や自由が丘に1店舗しか無いとか、多店舗展開していない店が多いんです。

 たとえば、鹿児島に住んでいる人は代官山の店にはそう気軽には行けないですよね。でも、そこで売っているものが“良い”ということは、自分も過去に東京を訪れたときに経験して知っているし、雑誌でも取り上げられている。もし、そういうものだけを集めたサイトがあれば、買い手としてはとても嬉しいですよね。で、そういうものを“ギフト”という切り口で提案していったら良いのではないかと。



サイト作成でこだわった部分を教えてください。
「ギフト専門サイトですから、楽しく贈り物を選んでいただけるような、上質なページ作りを目指しました。ショップごとの紹介ページも設けて、ショップや商品のこだわりをお伝えしています」。e-selectアートディレクターの松尾幸子氏

松尾:商品撮影はほとんどすべてを自社スタジオでプロのカメラマンが行なっていますし、店の紹介もライターがきちんと取材をした上で書いています。店の写真も店舗の外観だけではなく、できるだけその店の雰囲気が伝わるようなものを掲載しています。それなりに編集コストがかかる点では、雑誌と同じかもしれませんね。

 デザインも、雑誌を読んでいるような感覚で見られるページ作りを目指しました。広告制作会社としてエディトリアルデザインは業務の一部ですから。それに、やっぱり商品を手にとってみることができないウェブで買物をしていただくわけですので、ディテールが伝わるよう、撮影やデザインには手間ヒマをかけるべきだと思いました。

 これだけ通販サイトが多くなると、中にはケータイで撮ったような写真をそのまま掲載しているサイトもありますが、それではお店に申し訳ないので、少し上質なページ作りを目指しました。e-selectはいわばモールやデパートのようなものですから“外装とインテリア”には多少こだわらないといけないと考えています。取材・撮影・コピーワーク等のコンテンツづくりが内部でこなせる制作会社だからこそ、こうしたこだわりのサイトが短時間・低予算でできるわけです。

 また、ラッピングについても、基本的にはそれぞれの店がラッピングのデザインも決めていますが、お客様に喜ばれるラッピングを出店者の方たちにはお願いしています。つまり、通販だからといってダンボールの中に商品がポンと入っているというような形ではなく、お店で購入した時と同様の感覚でギフトを受け取っていただけるということですね。また、注文時にメッセージを入力していただければ、メッセージカードも添付できます。

e-selectに出店する男性のアンダーウェアショップ「OVER THE TWELVE」の紹介ページ。ショップごとに紹介ページが設けられている。こだわりやポリシーなど、商品を送り出す側の想いも伝わるサイトを目指している カテゴリーごとに商品が一覧できる。商品は価格の安い順・高い順に並べ替えて表示することも可能。一覧ページでも、商品イメージを損なわないよう、ページデザインには気を遣ったという



ユーザー登録をするとどのようなメリットがありますか?
e-selectのマイページ画面。「基本情報」「注文履歴」「お届け先」「マイカレンダー」が確認できる。贈り物をする相手の誕生日や記念日、送付先を登録すれば情報を一括管理できて便利だ

松尾:ユーザー登録をしていただくと、「マイページ」で情報が一括管理できます。結婚記念日や誕生日などの大事な記念日を登録していただければ、「マイカレンダー」で記念日をチェックできるようになります。また、記念日の10日前に通知メールを送るリマインダーサービスもご利用いただけます。

 いつ、誰にどんなプレゼントを贈ったかも履歴に残り、「注文履歴」のメニューから一覧できますので、去年と同じ商品をプレゼントしてしまった、といったような失敗も防げます。

 ギフトを贈る相手というのは、ある程度は決まっていますよね。それらの情報を一括して管理するツールとして使っていただくと便利だと思います。12月20日まで、オープニングキャンペーンとして、ユーザー登録をしていただいた方や、買い物をしていただいた方の中から抽選でプレゼントを差し上げていますので、どんどん利用していただきたいですね。



出店者側にはどのようなメリットがありますか?
e-selectの出店応募は、フォームページからも申し込み可能だ。社名、連絡先、担当者、取り扱い商品などを入力して送信するだけ。「魅力的な商品をお持ちなら、もちろん個人でも大歓迎です」(星氏)

星:6~7年前にセレクトショップブームが起きて、今もなお続いているんですが、いろいろと調べてみると、2~3人のスタッフで1店舗を運営している店などの場合は、とてもじゃないけど自社でコマースサイトを立ち上げる予算も体制も無いんですね。でも、「既存の大手ショッピングモールに出すのはちょっと……」と思っている方もたくさんいらっしゃるんですよ。

 今まで守ってきた店のイメージを大事にしたいのに、ディスカウントショップの隣に並ぶのは困る、と。そういう理由で二の足を踏んでいる店が、そこそこあるんじゃないかと思うんですね。

 e-selectでは、そうしたお店の背中を軽く押してあげようということで、出店料と登録料、運営費などのイニシャルコストを無料にしています。ショップの紹介ページの記事執筆や商品の撮影も私どもが行ないます。私どもは、実際の売上から15%の手数料をいただく、というシステムです。つまり、商品さえ用意していただければ、写真撮影もこちらでしますので、出店される方からすると、Web販売を始めるにあたっての手間と費用は最小限に抑えられます。登録料などの経費も一切必要ありませんということで、Web通販を始めるハードルはほとんどないと言ってもよいと思います。

 ただし、私どもの方もサイトのイメージを維持するために独自の審査基準を設けていますので、必ずしも出店を希望される方すべてに場所をご提供できるわけではありません。素晴らしい商品、こだわりのある製品やサービスを持った店は大歓迎です。もちろん、リアル店舗を持っていない方も大歓迎ですよ。モノを作って売る自信があるんだけど、Web通販サイトを立ち上げるノウハウや費用が無いという人は、ぜひ参加していただきたいですね。

リンクの社内会議室を常設スタジオとして使用。ショップから預かった商品はプロカメラマンが撮影。撮影した画像はすぐPCに転送して、カメラマン自身が画像を確認・調整する 実際に商品を手に取って見るわけにはいかないため、Web通販では、いかに商品の魅力を伝えられるかが鍵となる。e-selectでは、個人や小規模の店舗では難しいプロカメラマンによるスタジオ撮影までを無料で代行する



今後はどんなサービス展開を予定していますか?
現在e-selectで提供されている「絞込み検索」のページ。予算とカテゴリーを指定して商品を検索、一覧表示できる。2005年春には贈りたい相手の性別や相手との関係などを入力・選択することで、お勧めの商品を一覧表示する機能なども加わるという

松尾:ショップ数やアイテム数を伸ばしていくのはもちろん、カテゴリーもどんどん追加して、幅広い商品を取り扱いたいですね。たとえば、地方でしか買えない産地直送品とか。また、受け取った方が、贈る方の予算の範囲内で商品を自由に選べる「e-selectカード」というサービスも来春からのスタートを予定しています。世代の違う人にプレゼントするような場合、何を贈ったら良いのかわからないという時には最適だと思いますよ。

 このほか、相手の性別や関係、贈る理由などを検索項目に入力すると、ぴったりの商品をアドバイスとともに表示してくれる「FUN SEARCH」という機能も考えています。

 ユーザー登録をしていただく際に、ユーザーの方がどういうサービスを望まれているのか、ご意見をお伺いする欄も設けているんです。こうしていただいたご意見も参考にしながら、とにかく良い商品を良いシステムで提供していくことで、今までにはないショッピングサイトにしていきたいですね。

■ URL
e-select
http://www.e-select.st/

(2004/11/15)

[取材・執筆:片岡義明]


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