■URL
http://www.shoutcast.com/
http://www.nullsoft.com/
http://www.mp3.com/news/152.html (mp3.com「SHOUTCast Makes Everyone A DJ」)
http://bboard.mp3.com/ubb/Forum4/HTML/000158.html (掲示板)
高い圧縮率で音楽CD並みの品質を保てるデータフォーマット「MP3」用のストリーミングシステム「SHOUTcast」が米NullSoft社から発表された。利用するには、同社による専用のサーバーソフトとMP3再生ソフト「WinAMP」(2.06以降)、WinAMP用の拡張プラグインが必要。
SHOUTcastの特徴は、インターネットに接続しているパソコンなら気軽にストリーミングの「放送局」になれる点。専用のサーバーソフト「SHOUTcast server」(Windows、FreeBSD、Linuxなどに対応)は、同社のサイトから無料でダウンロードできる。その、SHOUTcast serverを使えば、WinAMPの「プレイリスト」に登録した音楽データをストリーミングで配信できるというしかけ。ストリーミングのレートも設定可能だ。
同社のサイトでは、「SHOUTcast Directory」というページを開設し、各ユーザーによる「放送局」を紹介している。SHOUTcast serverでは、自分の作成したプレイリスト=“番組”をDirectory上に掲載できるようになっている。ここに掲載された番組は、WinAMPユーザーならだれでも無料で聞くことができる。
このシステムの一番の利点は、個人でも手軽に音楽配信ができる点だ。しかし、手軽が故に、現在でも問題になっている「違法音楽配信」の氾濫に繋がりかねない。実際にSHOUTcast Directoryに登録されている「放送局」で音楽を聞いたところ、確かに音質は良いが、楽曲のクレジットなどは表示されず「違法」かどうかの判断が付きかねる状態だ。ストリーミングである以上、データを保存することはできないが、「放送」であるとするなら、それに伴う著作権の保護が必要になりそうだ。MP3に関するトピックを扱うサイト「mp3.com」では、「誰でもDJになれる」と記事でSHOUTcastを紹介している。その中では、「クレジットを載せないのは、従来からの『放送』と変わらないことだ」また、「放送と同様にアーティストを手助けするもの」として、問題はないとしている。
なお、mp3.com内に設けられたSHOUTcastに関する掲示板では、「これはアーティストにとって、また、リスナーにとって良いものなのか、悪いものなのか?」「新しい海賊放送として見られるのではないか」「RIAA(米レコード産業協会)による非難が始まるのではないか」といった声が寄せられており、今後も議論は続きそうだ。
('99/1/5)
[Reported by okiyama@impress.co.jp / shin-s@cyberdude.com]