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【調査結果】

JPNIC、研究機関のインターネット利用状況に関する調査報告書を公開

■URL
http://www.nic.ad.jp/jp/research/report/1998/index.html

 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、'98年8月3日から8月17日にかけて実施された、学会と研究室におけるインターネットやネットワークの利用状況に関するアンケート調査の報告書を公開した。上記ページにて主要箇所を閲覧できるほか、全編もPDFファイルで入手できる。

 学会対象の調査では、'98年度日本学術会議に登録されている全学術研究団体1,360にアンケートを送付し、470(34.5%)の有効回答を得た。一方、研究室対象の調査では、'97年度に実施された文部省科学研究補助金採択課題のプロジェクトリーダ998人にアンケートを送付し、295(29.6%)の有効回答を得た。全体の回収率は32.4%で、学会・研究室ともに医学系の回答が3割を占めた。

 調査結果によると、研究室の99.7%にコンピュータが導入されており、そのほとんどがLANおよびインターネットに接続されているという恵まれた環境にあるのと同時に、研究メンバー間での連絡手段も電子メールが主であるなど、研究室においては積極的にインターネットが利用されている様子がうかがえる。しかし、インターネット上で研究プロジェクトを公開していない研究室が72.9%であったり、論文の全文公開を希望している研究室は10.8%であるなど、情報提供については躊躇している面もみられる。これについて、JPNICでは著作権などの理由が考えられるとしているが、今回の調査では具体的に明らかにされていないため、今後の調査課題にするとのことだ。

 一方、学会では約8割がコンピュータを導入しているのにもかかわらず、ネットワーク接続されていない学会は22.8%と、研究室との環境の差は明らか。また、会員との連絡も郵便が主であり、会員のメールアドレスを「ほとんど把握していない」と回答したのが56.8%を占めるなど、学会でのインターネット利用が普及するにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

('99/2/17)

[Reported by kono@impress.co.jp / ymasa@wizvax.net]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp