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【業界動向】

NTT、固有IDを利用したデジタルコンテンツ流通方式を開発

■URL
http://info.ntt.co.jp/news/news99/9902/990223.html
http://www.solidaudio.jpn.net/ (Solid Audio)
http://www.comket.ne.jp/infoket/i-2.htm (Infoket)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_02/pr_j2201.htm (東芝リリース)

solidaudio 日本電信電話株式会社(NTT)と株式会社神戸製鋼所は、固有の識別番号(ID)を持つメディアを利用したデジタルコンテンツ流通方式「InfoBind(仮称)」を共同で開発した。NTTと神戸製鋼の共同開発による携帯用音楽プレーヤー「SolidAudio(写真)」とNTTの情報流通プラットホーム「Infoket」、東芝によるID付きスマートメディアを利用して提供されるシステムで、「コンテンツの不正利用防止」が最大の特徴となっている。

 InfoBindは、暗号化した音楽コンテンツをネットワークを介して配信、ユーザーはパソコンでダウンロードし、最初から固有IDが割り振られた「スマートメディア」に暗号化されたデータを転送する。そのデータを「暗号鍵」を使ってSolidAudioで再生するというしくみ。暗号鍵は、その固有IDに従って生成されるもので、Infoketの鍵配送サーバーによりコンテンツとは別途にユーザーに配布される。SolidAudio側では、IDとの照合により暗号を解読しながら音楽データを再生する。特定のメディアにのみ記録可能なことによる不正コピー防止と、同方式に準拠しているプレーヤーならどれでも再生できるのが特徴だ。なお、固有ID付きのスマートメディアには、東芝の技術を採用する。同社は、2月22日にメモリチップ毎に固有の識別(ID)番号を搭載したNAND型フラッシュメモリのサンプル出荷を発表している。

 なお、固有IDは出荷以降に不正な書換えができないように記憶されているため改竄が困難。また、メディアの固有IDにより暗号を復号するため、他のメディアにコピーしても再生できないことや、コンテンツに電子署名が施されることなど、著作権を保護した形でのデータ配信を可能にしている。

 NTTによると、音楽データ圧縮形式は、今回「Twin VQ」を採用しているが、技術的には「MP3」を使うことも可能で、メディアもスマートメディアのほか、CDやDVDでも同システムを利用することができるとのこと。また、コンテンツはパソコンを想定した配信のほか、今後は専用のダウンロード端末を利用することも考えられるという。

 Infoketは、暗号技術を利用した少額決済も可能なコンテンツ販売プラットフォームで、NTTでは、従来からInfoketを利用したデジタルコンテンツの販売を行なってきた。今回は、専用のデバイスと固有ID付きメディアの組み合わせで、より強力なシステムになっている。また、データフォーマット、使用メディアとも広く応用できるので、今後普及する可能性もありそうだ。なお、NTTでは、現時点で「事業化は未定」としている。

('99/2/23)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp