■URL
http://www.jup.com/events/forums/cof/
インターネットの最新トレンドに関する会議「Jupiter Consumer Online Forum」がニューヨークで3月1日から3日まで開催されている。Jupiter Communications主催による今年で6回目のこの会議には、@HomeのTom Jermoluk会長兼CEO、Yahoo!のJerry Yang Chief Yahoo!、USA NetworksのBarry Diller会長兼CEOの基調講演の他、約60人の業界エグゼクティブが登場。インターネットとテレビの融合や、ケーブルモデムなどの高帯域幅、コンテンツやプラットフォームの変化などに関するパネルディスカッションが開かれている。今回は、2日目に行なわれた基調講演などの様子をレポートする。
●ECを含んだパーソナライズ体験が必要
同氏は「我々は(コンテンツを提供する)『Yahoo! Finance』や『Yahoo! Sports』、1対1のコミュニケーションを提供する2,000万の無料電子メールアカウント『Yahoo! Mail』、さらにユーザーとサービスを合わせたコミュニティ『Geocities』により、ユーザーにパーソナライズ体験を提供する」と語った。同氏は「コミュニティにはパブリックとプライベートの2種類があり、とくにプライベートコミュニティは大きな可能性がある」と語った。
また、同氏はECの急成長がユーザーのWebの使い方を大きく変え、ユーザーは「パーソナライズされたショッピング体験」を求めるようになっているとし、「我々が賢くなる必要はなく、賢いユーザーを獲得することが重要だ」と語った。「GeoCities」や「Yahoo! Store」では、ユーザーが簡単にECサイトを構築できるオンラインツールを提供している。今回、注目を集めた同社の大手メディアとの合併の可能性に関しては、同氏はその可能性も考えられると語った。
●“コンテンツルネサンス”の胎動
LycosのDavis氏は、「ユーザー獲得のためにはコンテンツ、ブランド、ディストリビューションが必要である。我々はTripodやAngelfireなどの買収により、コミュニティというコンテンツを獲得した。コミュニティはユーザーインタラクティビティによる有機的なアプリケーションであり、非常に重要な分野である。ブランドは、USA Networksとの合併でより強力なものになる。また、USA Networksの所有するTicketmastersが発行するチケットの後ろにLycosロゴを入れるなどのクロスプロモーションにより、ディストリビューションも強化する」と語った。
ExciteのBell氏は「ディストリビューションよりもコンテンツが重要だ。ユーティリティは多数提供されており、差別化を図るものはコンテンツだ。その中でももっとも優れたコンテンツの提供方法がパーソナリゼーションだと考えている」と語った。同日の講演で、JupiterのMark Mooradianディレクターは、こうした差別化を図るというコンテンツの新たな意味づけを“コンテンツルネサンス”というキーワードで語っている。
米有力ISPであるEarthlinkのDayton氏は「現在、米国の家庭でのインターネットアクセス率は30%だが、60%に増加するという予測が出ている。ユーザーデータを持つ我々の位置づけは“ポータルの中のポータル”であり、ユーザーがアクセスすればするほど我々は利益になる」と語った。一方、Time New MediaのMcCutcheon氏は「コンテンツを持つ者が最終的には利益を得る」と主張した。
('99/3/3)
[Reported by HIROKO NAGANO, NY]